【清水 vs 札幌】 ウォーミングアップコラム:雌伏のエース、鄭大世。葛藤を経てルヴァンカップで目指すものとは

2018年4月3日(火)


この4月は、3週連続で水曜日にホームゲームというめったにないスケジュールとなっている清水。その初戦がこのルヴァンカップ・札幌戦だ。
1カ月で8試合という超過密日程の中、当然メンバーを入れ替えながらチームの総力で戦うことが求められるが、今季の清水で楽しみなのは、ルヴァンカップのメンバーも非常に力のある選手が揃っていることだ。
前線には鄭大世(写真)、中盤には村田和哉、楠神順平の野洲高コンビ、DFラインには角田誠、二見宏志、清水航平、兵働昭弘、GKには西部洋平など、昨年のレギュラーを含めて豪華な顔ぶれが揃っている。今節のスタメンがどうなるかはわからないが、札幌のほうも小野伸二や稲本潤一が来静する可能性があり、メンバー的な楽しみも大きなゲームと言える。

そんな中で、ルヴァンカップに向けて誰よりも熱い気持ちを持っているのが、昨季のチーム内得点王・鄭大世だ。
3月で34歳になった鄭は、今季も例年通りきっちりとコンディションを整え、プレシーズンの練習試合では誰よりも点を取っていた。だが、ヤン ヨンソン新監督の戦術的な判断によってリーグ戦ではスタメンを外れ、交代出場のみとなっている。
当然、鄭自身は本当に悔しい思いをしたが、ルヴァンカップに向けて気持ちを切り替え、初戦の磐田戦では決勝ゴールを決めて、約4年半ぶりの静岡ダービーでの勝利をもたらした。
「メンバーが変わっていたとしても、ルヴァンカップの結果が悪いとリーグ戦にも影響するし、去年もそういう面がありました。逆にルヴァンカップで勝つとチーム全体に勢いがつくと思うし、磐田戦の勝利が次の札幌戦(リーグ戦3節)にもつながったと思います。今年はルヴァンカップのメンバーにも力があるし、自分たちが結果を出して、リーグ戦の選手がおちおちしてられないというプレッシャーをかけることが大事だと思ってます。とにかく今の自分にとっては、ルヴァンカップでアピールするチャンスがあるのは本当にありがたいですね」(鄭)

ただ、そうは言っても、今の状況で高いパフォーマンスを維持し続けるのは容易ではない。これまで試合に出続け、結果を出し続けてきた選手だからこそ、難しい面もある。
「リーグ戦で交代出場したときに空回りしちゃって良いプレーができてないことが、自分に対してすごく腹が立ちます。今のような状況って誰にもありえることだけど、いざ自分がその立場になったときに、自信を失ってミスを連発している今の自分が恥ずかしいですね。周りに影響されて自分の力を出せないというのは、自分の弱さが出ていると思うんですよ。ただ若い頃と違うのは、どこに問題があるかというのを自分自身でわかっていること。だから今は、チャンスが来たときにそれをつかむための準備を怠らないことを大事にしています。そういう意味では、ルヴァンカップでは間違いなくチャンスがあるので、まずはそこで良い内容のプレーすること。僕の場合は『点を取りたい!』と入れ込みすぎると逆に力が入って決まらないですが、良いプレーができれば結果にもつながってくると思ので、札幌戦ではそこを大事にしたいです」(鄭)

彼ほど実績のあるスター選手が、これほど素直に自分の弱さを認められることは、筆者にとっては驚きだった。だが、だからこそ彼は強い。
「今年のモチベーションは、ルヴァンカップ優勝です。で、準々決勝とか準決勝ぐらいまで行ったら、監督に『今のメンバーでいかせてください!』と土下座してお願いするぐらいの覚悟はできてますよ(笑)」
弱さと強さ、熱さと冷静さ。相反する2つの側面を自覚しながら、何とか自分の中でバランスをとろうと模索する鄭大世。だからこそ人間的にも本当に魅力があり、かならずチームのために力を発揮すると確信させてくれるのではないだろうか。

文:前島芳雄(清水担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 第3節
4月4日(水)19:00KO アイスタ
清水エスパルス vs 北海道コンサドーレ札幌
IAIスタジアム日本平(清水エスパルス)
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