【名古屋 vs 清水】 ウォーミングアップコラム:“災害”的な連敗から脱出するために。ランゲラックが名古屋のゴールに鍵をかける。

2018年4月24日(火)


実に21年ぶりというリーグ6連敗中の名古屋で、間違いなく一番悔しい思いをしている男がランゲラック(写真)だ。何せ6試合で奪われた得点は15ゴールにのぼり、1試合2回以上も背後のゴールネットを揺らされている。絵に描いたようなナイスガイでもさすがにこの結果は腹に据えかねていたようで、先の神戸戦の試合前には「試合に集中させてくれないか」と言葉少なにクラブハウスを去り、3失点で負けた試合後には「今日はすまない、話したくない」とネガティブな心の動きを隠せなかった。失点の重みを最も実感するポジションだけに、その悔しい心中は察するに余りある。

だがチームはそれを見透かしていたかのように神戸戦翌日のトレーニングを試合メンバーのみオフとし、心身の休養に充てた。選手たちは思い思いの時間を過ごす中、ランゲラックは近所を散策し少年野球を眺めるなどしてリフレッシュ。「オレも中に行って打たせてもらおうかな、なんて話してたんだけど、けっこう速い球を投げていたしケガしたらいけないからやめといたよ」と、その翌日には我々報道陣を笑わしてくれもした。「こういうオフは重要だよ。頭からサッカーを一度切り離して、前の試合が3週間前のことだったように思うというのも悪くない」。しっかりと頭を切り替えた守護神は、あまり聞かれたくない質問にもしっかりと答えてくれるまでに“回復”していた。

「これだけ失点が重なって負けているというのはもう、GKにとっては災害のようなものだよ(苦笑)。どの試合でも失点をゼロで抑えようという気持ちでプレーしているし、もちろんどんな試合でもそれは難しい。常にクリーンシートで勝つのは難しいことだからね。でも自分はそこに挑んでいる。失点にはいつも落胆するけど、チームとしてポジティブな気持ちを高めていきたい。トップレベルの戦いではいつでもそのディテールの部分が勝敗を分けるものだから、同じミスを繰り返してはいけない。そしてチーム全体でミスの可能性を低くしていければ、自分たちのチャンスが生まれて、良いプレーが生まれてくると思うよ」

他の質問にも「難しい質問だ」とため息をついていたので趣向を変えて、同僚について尋ねることにする。すると見る見るうちにうつむいた表情に笑顔が戻ってくるから面白い。
「ミッチェル デュークのことはもちろん知っている。オーストラリア代表で一緒だったからね。来日する時にも連絡を取り合ったし、彼は日本のことをたくさん教えてくれた。日本でどう過ごしたらいいかとか。彼はすごく良い人間なんだ。会うのがの本当に楽しみだよ」

でも、だからといってゴールはプレゼントできない。「その通りだ。そもそも失点はしたくないし、友人ならなおさらにゴールされたくなんてないよね」とランゲラックも同意して笑う。少しナーバスになっていたメンタル面はすっかり元通りになったようである。この間、守備陣も無策のままに失点を重ねていたわけではなく、選手間で細かい修正と守備のガイドライン作りを進めてきたが、ランゲラックもその“作戦会議”のなかで意見を出したという。「中学生の頃から英語は勉強してきたんですけど、ミッチとは…本場やべー!って感じです」と言う菅原由勢とどこまでコミュニケーションが取れたかは謎だが、清水戦へ向けて守備陣のみのトレーニングを選手たち主導で行なっており、「良い練習ができた。今日は勝利への飢えやエネルギーを感じられた」とランゲラックも満足げだった。

攻撃型のチームだからこそ守備は勝敗に大きくかかわってくる。失点は多いがランゲラックはビッグセーブも多い。あとは自身も口にした「ディテールの部分」を詰めていけば、彼の力だけでも失点はまだまだ減らせるはずだ。屈辱的な連敗記録をここで止めるためにも、背番号22の底力を見せてほしい。

文・写真:今井雄一朗(名古屋担当)


明治安田生命J1リーグ 第10節
4月25日(水)19:00KO パロ瑞穂
名古屋グランパス vs 清水エスパルス

パロマ瑞穂スタジアム(名古屋グランパス)
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