【名古屋 vs 横浜FM】 ウォーミングアップコラム:古巣対戦の傾向と対策はバッチリ。スピード復帰の新井一耀が名古屋に久々の勝点3をもたらす。

2018年5月4日(金)


この一戦が復帰の目標とは聞いていたが、まさか本当に実現させるとは恐れ入った。確かに4月に入ってからというもの、トレーニングの負荷が目に見えて上がった印象は受けていたが、負傷から8ヵ月という長い期間を経てここに辿り着いた選手が、まさか全体練習復帰3日で公式戦にまで復帰してくるとは誰が想像しただろうか。前節のC大阪戦でスタメンから63分の出場を果たした新井一耀(写真)はさらに、「リバウンドもないし、疲労はあるけど試合に影響するほどのことではありません」と、中2日での古巣対戦への出場にも意欲を見せている。

電光石火のラストスパートだった。3月の下旬、それまでのリハビリから完全にトレーニングへと切り替わった際に話を聞いた時には、「最後の仕上げって感じです。目標は4月下旬に練習復帰ということになりました。横浜FM戦も目標だったんですが、トレーナーに『ちょっと早いかな』と言われてしまいました」と少し悔しそうにしていたのだが、そのほぼ1ヵ月後となる4月29日の練習で対人も含めでフルメニューをこなし、30日、5月1日と紅白戦にも参加すると、3日のC大阪戦のピッチにスタートから立っていた。「オレも経験があるけど、最初はキツイ。でもそこを乗り越えると大丈夫になる」と風間八宏監督に背中を押されたが、さすがに「90分はもたないと思ってました」と後半に大事をとって交代。翌日には下半身を中心に筋肉痛に襲われたが、それも心地よく感じているのは爽やかな笑顔を見れば一目でわかった。何より、楽しみにしていた古巣との対戦に間に合ったことが、彼の心身の充実をさらに加速させているようにも見えた。

チームにとっても新井の復帰は朗報だった。空中戦を始めとした対人の強さだけでなく、周囲を動かす守備スキルやビルドアップにも上手さがあるセンターバックは、パワフルな相棒ホーシャを操って守備組織にアグレッシブさを演出し、まだ万全ではない競り合いの部分は「相手に仕事をさせないこと」を念頭に置いて無難に対応。C大阪戦は豪雨という悪コンディションの試合だったが、冷静かつ大胆なパスさばきで攻撃を下支えもした。周囲の選手も万全ではない新井をフォローしようと補完性に意識を置いたことで守備組織には良い緊張感も生まれ、それまでの8連敗が嘘のような積極的な試合展開に。もちろんそれらすべてが新井の手柄というわけではないが、確かな実力を見せたこともまた事実だ。

リスクマネジメントを重要視する新井は試合中の準備にも常に気を配る。こと横浜FM戦に限って言えば、相手チームのスカウティングもバッチリできている。「やっぱり気になるチームですから」と今季の横浜FMの試合はほぼチェックしており、傾向と対策はイメージ済みだ。

「自分がいた頃とはスタイルが違って、しっかりと後ろからつないでくるので、間を空けるとそこに縦パスが入って前を向かれて、起点を作られます。上手い選手もたくさんいるので、一つひとつのプレーに対して準備をしておかないと、すぐに失点してしまう。そういう準備はすごく大事なので、自分も声を出して試合中にも修正していきたいですね。ウーゴ ヴィエイラは横浜での紅白戦でずっとやっていましたが、センタリングが上がった時の入り方や、ヘディング、シュートの技術もあるので、手強い相手だと感じています。対戦はみんな楽しみですけど、喜田とはだいぶ前から連絡を取り合っていたし、対戦できたらいいなとは話していました。ポジションはそんなにかぶらないですけど、そういった選手たちとの対戦は楽しみですね。個人の特長がある選手が多いチームですし、いろいろと大変な、難しい試合になるのかなと思ってはいます」

チームはリーグ戦の連敗を8試合で止めるも、まだ10戦勝ちなしの状況は続いている。久々の無失点に貢献した新井は「前半は失点しないこと。堅い試合になってもいいし、逆に先制点が取れれば自分たちが優勢に試合を運べると思う」と、あくまで現実的な戦いをイメージしている。チームがあくまで攻撃的に振る舞うなか、守備の選手がこうした意識を持っているのは非常に好意的だ。過度な期待は禁物だが、背番号5が停滞する名古屋に新風を吹き込んだことは間違いない。セットプレーでの得点というちょっとした“野望”も目論む新井一耀は、意気揚々としてその舞台に立つ準備を整えている。

文:今井雄一朗(名古屋担当)


明治安田生命J1リーグ 第13節
5月5日(土)19:00KO 豊田ス
名古屋グランパス vs 横浜F・マリノス


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