【横浜FC vs 熊本】 ウォーミングアップコラム:“ハマのゴルゴ”こと石井圭太。中盤に鋭い眼を光らせ、長距離砲でゴールを撃ち抜く。

2018年5月11日(金)


昨季、残り4節となったタイミングで就任したタヴァレス監督は、「私は今までのキャリアで常に、若手を引き上げて結果を残してきた」と公言し、事実大胆に若手を起用した。その代表格が、“ゴルゴ”こと石井圭太(写真)。ニックネームの由来は、その立派な眉と鋭い眼光にあり、「中学生のころからずっとゴルゴと呼ばれている」。そのため、昨季は新加入選手から「ケイタ!」とコーチングが飛んだ際に、周りはもちろん本人の反応も遅れて微妙な空気が流れたほどだ。

中盤の底の中央で、3バックの壁を背に、アンカーとしてどっしり構える。周囲に鋭く眼を光らせ、中央に入ってきたボールを厳しく奪い、相手選手にミドルレンジからゴールを狙うことを許さない。ボールを奪えば空いた味方にシンプルに逃し、なおも広い視野で逆襲に備えてバランスを取る。口数少なく、寡黙であり、「(試合中も)もうちょっとしゃべってくれれば(笑)」と主将の佐藤謙介は注文を付けつつも、「走れるし、ボールを奪えるし、落ち着いている」と、その冷静沈着なプレーぶりを評価する。

横浜FCの下部組織出身で、2014年にトップチームに昇格したボランチ。今年でプロ5年目を迎えるゴルゴだが、ここまで出場機会はそう多くは与えられなかった。1年目は横浜FCでの出場はゼロ。2年目は4試合にスタメン出場したが、すべての試合で敗戦し、中には大敗の呼び水となったプレーを当時のキャプテンに「ふざけてるとしか思えない」と叱咤されたこともあった。2016年の前半はベンチ入りもなく、7月にJ3のグルージャ盛岡に期限付き移籍している。

ただ、盛岡は彼にとって、「成長させてくれた大事な場所」となった。移籍と同時に入籍した奥さんの支えもあり、盛岡では18試合に出場。中盤の底で攻守の要としてチームを支えた。半年の期限を終え延長のオファーは当然あったものの、「やっぱり横浜FCで勝負したい」と彼は横浜に戻ったが、盛岡のチーム、サポーターから惜しむ声は絶えなかった。

しかしほとんどベンチ入りもままならなかった昨季だが、タヴァレス監督が就任すると、残り3節となった熊本戦で出場停止の中里崇宏に代わって抜擢されて好パフォーマンスを披露。タヴァレス監督は「クラブは彼の将来性を高く評価する必要がある」と賛辞を送り、その後の2試合も右サイドバックとして彼を起用した。

そのタヴァレス監督が続投した今季、出番はなかったが開幕から毎節ベンチに入り続け、第5節の山形戦で今季初スタメンを飾った。そして守備陣に怪我人が続出したこともあり、第11節徳島戦以降は連続してスタメン出場。タヴァレス監督が3ボランチの守備的なシステムを採用したことで、彼の守備力とバランス感覚が、アンカーの位置で生きている。

野村直輝は、昨季終盤からのゴルゴの変化をこう感じている。「意識の部分が変わった。練習前の準備にそれをすごく感じる。早く来るようになったし、以前と違って、本当に試合に出ることを想定して準備しているのが分かる。責任感も出てきただろうし、試合でも自信を持ってやれている」。

本家ゴルゴ13においても、狙撃そのものは一瞬であり、その前の準備、逃走経路の確保も含めての準備に莫大な手間と時間と金を費やす。ハマのゴルゴがその域に達しているかはともかく、間違いなく主力選手となるための意識はできてきた。大型連休が終わって怪我人が復帰し、「また競争になるけど、上回れるように存在感を出していきたい」と、鋭い眼光で前を見据えた。

彼にはもう一つ、強力な武器がある。強烈かつ精度の高い、右足から放たれるミドルシュートその名も“ゴルゴ砲”。盛岡時代も相手ゴールを2発撃ち抜いているが、これがある程度コンスタントに決まるようになれば、相手にとって怖い存在となり得る。今季はまだ前々節の讃岐戦で枠外に1本披露したのみだが、「チャンスがあれば決めたい」と、常に相手の隙を窺い続けている。横浜FCで初めての狙撃に成功し、冷静沈着なゴルゴが喜びを爆発させる瞬間をぜひ見てみたいものだ。

文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J2リーグ 第14節
5月12日(土)14:00KO ニッパツ
横浜FC vs ロアッソ熊本

ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
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