【秋田 vs 長野】 ウォーミングアップコラム:自分を知り相手を知ろうとする山田樹、ホーム初ゴールを目指す

2018年5月19日(土)


山田樹(写真)が着実に今季初ゴールに近づいている。第9節の北九州戦(1○0)では38分の尾本敬の決勝ゴールをアシスト。その後の66分にはPA内に侵入し、久富賢の左からのクロスに飛び込み相手GKを脅かした。第10節の琉球戦(0△0)では試合終了間際、あわや決勝ゴールというシュートを放った。山田自身が「そのシチュエーションにいられることが自分のストロングポイント。アシストやゴールでチームに貢献したいですし、そこはギラギラしているつもりです」と話すように、これらの決定機で山田はフリーの状態になっている。そのことがゴールに絡む雰囲気を感じさせる根拠でもある。

杉山弘一監督も「点に絡んでくるところが彼の良さ。昨シーズン終盤のケガの影響もあって、今シーズン季の入りも少し重いなという感じでした。でもいますごくシャープになって、本来の感じに戻っています。もっと言ったら、そこから成長している感じもある」と期待を寄せている。

山田は2017年4月、シーズン途中で秋田に加入し、主に左WBを担当。高精度の左足のキックと、試合の流れを的確に読む攻撃参加で4ゴールを挙げた。その一方でアシストがなくシーズンを終えたことを気にかけていたようだ。前述の第9節での決勝アシストは山田にとって秋田加入後の初となった。「尾本選手がすばらしいゴールを決めてくれたので、アシストという形になりました」と喜ぶ。

山田は相手より先に反応するために、ボールの状態や相手の視線を盗みながら、ボールがこぼれるところや、相手から奪える可能性が高いところを予測している。そして、この予測力の源になっているのが観察だという。

「右サイドからクロスが上がってくるとして、ボールがゴールに向かうのか、ゴールから反れて飛んでいくのか。たとえば左利きの古田(寛幸)選手が左足で蹴るときと、右利きの青島(拓馬)選手が蹴るときのボールの回転の向きは逆になって、こぼれて来やすい位置も微妙に変わる。その上で相手DFがクリアしそうな場所を常に観察しながら、できるだけフリーになれるようなポジショニングをしています」

試合を重ねるごとに研ぎ澄まされていく感覚があるという予測力を、山田は中学時代から磨いてきた。「ずば抜けた瞬発力があったり、自分ひとりの能力だけで局面を打開する選手ではなかった。そこでどうしたら自分が輝けるのかを考えるうちに、観察して予測力が身に付いたんだと思います。いま振り返ると、サッカーを続けていく上で、他の選手たちに負けないためにはそうしていくしかなかったのかなと」

山田は東南アジアでプレーしていたときも「助っ人外国人」として見られる時期があり、求められるのは個人の結果だった。そこで輝くために観る力に磨きをかけたという。だがそれだけではなく、今季はプラスアルファを自身に求めてトレーニングに取り組んでいる。

「チームに貢献するために、守備はもちろん、サイドからのクロスでチャンスメイクを増やしていきたいですね。クロスを入れられるように、ドリブルも高めたい。いまから平石(直人)選手みたいにドリブルができるようになるわけじゃないですけど、相手を抜き切れるまでの能力がなかったとしても、クロスを上げる技術は絶対にあると思いますし、相手を抜き去るというよりは、相手をずらしてクロス上げる、寄せてくる前に上げるなどのやり方もあります」

WBのポジションを競う平石や古田、青島のストロングポイントを超えられなかったとしても、うまく盗んで成長し、互いに切磋琢磨する。「試合には出たいですけど、最終的にチームが勝っていければ」と意気込む。

2年目の今シーズン、山田は杉山弘一監督から副キャプテンに任命された。杉山監督のもとではないが、アルビレックス新潟シンガポール時代にはキャプテンを務めたこともありリーダーシップの素養を見込まれた。山田はこの役割について「急に何かを変えるのは難しいので、与えてもらった役をまっとうするために、自分なりにできることしようと。練習や試合で意識的に声掛けをしたり、日頃から各選手の表情や言動を観察して、いまどういう状態で、何を考えているのかを考えるようにしています」

今節対戦する長野について、山田は昨シーズンの経験から「守備がすごく堅いチーム」と見る。その上で「クロスを挙げるとなったときに、普通に上げても中央にいる強いDFに弾かれてしまうので、DFとGKの間のスペースに速いボールを入れるなどして、人よりもスペースを意識してプレーしたいですね」と話す。

そして、ホームでの初ゴールも頭に描く。「昨シーズンの4ゴールは全部アウェイでのもの。ホームでも点取りたいとは思っているんですけど、欲を出しすぎて他のプレーがおろそかになるのもよくない。チームがしっかり勝って、その上で自分もゴールに絡んでいければ、最高の結果になるのかなと思います」

文:竹内松裕(秋田担当)


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