【横浜FC vs 千葉】 ウォーミングアップコラム:チームで唯一のフル出場を続ける、武田英二郎の流儀

2018年5月19日(土)


リーグ戦も1/3を消化し、6位につける横浜FC。目標のJ1昇格へ山あり谷ありの戦いが続く中、ここまで唯一フル出場を続けているのが、今季湘南から移籍してきた武田英二郎(写真)だ。武田は前節のホーム熊本戦でJ2リーグ通算100試合出場を達成。「今年はどんなことがあっても100試合行きたいと思っていた。それが最速で、しかもフル出場で達成できたのは素直に嬉しい」と白い歯を見せた。

29歳で100試合は、少ないと言ってもいいかもしれない。横浜FMの下部組織で育ち、青山学院大学に進学。4回生の時に湘南の特別指定選手となり、ヤマザキナビスコカップ(当時)に1試合出場した。2011年、横浜FMでプロとなるが、この年の出場はゼロ。2012年にはJ2の千葉へ期限付き移籍となり、翌年は鳥取、さらに翌年は福岡と期限付きでJ2を渡り歩き、計85試合に出場した。2015年にJ1昇格した湘南へ完全移籍するが、J1の2年間で出場は3試合。J2に降格した昨年は運動誘発性不整脈を発症し、手術を受けたこともあって1試合の出場にとどまった。「正直、湘南での3年間は辛かった」と、武田は振り返る。

ただ同時に、その湘南での3年間が今の自分を支えていることも、彼はよく分かっている。左足の正確なキックのイメージが強いが、タヴァレス監督いわく「英二郎の一番の良さはマーキングにある」という。「(マーキングは)湘南でずっとやってきたこと。それが自分の持ち味だと思っているし、自分のところから失点は絶対にしたくない」。鋭い読みで素早く相手に寄せ、激しい守備でボールを奪いきる。そして攻撃でも、ビルドアップで詰まった際に正確なロングキックをイバに送り込む、チームの苦しい場面を救う印象が強い。「湘南での3年間があったから、試合に出ることがどれだけ大変かということが分かったし、出ることの大切さも分かった。使ってくれる監督、チームメイトにも感謝しているし、少しでもチームに貢献したいという気持ちでやっています」と、充実した表情で語る。

移籍してきて、ここまでは「怖いくらい順調」。「怖い」というのは、それが簡単にそうでなくなる恐怖を知っているから。ここまでフル出場を続けていながら、取材すると決まって「次に出られるかは分からないし、1日1日を大切にやっていくだけ」という話に最後は落ち着く。「次の試合で悪いプレーをしたら信頼なんかすぐなくなると思うし、出られなくなる恐怖感がずっとあるんです」と、本当に怯えた表情を見せる。ただ今は、それが武田にとっての原動力になっている。
「今は練習も食事も睡眠も全部、『試合に向けて』という気持ちで頑張れる。試合に出れないと、口ではそう言ってても、気持ちが萎えてしまう部分がどうしてもあるので。だから1日1日を大切にやっていくしかない。そしたら最悪、外れても後悔はないと思うし、後悔だけはしないようにという気持ちなんです」
目標の「全試合出場」を達成したとしても、口癖の「1日1日を大切に」は変わらないのだろう。試合に出られることの喜びをかみしめて、武田英二郎は今日もピッチに立つ。

文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J2リーグ 第15節
5月20日(日)14:00KO ニッパツ
横浜FC vs ジェフユナイテッド千葉
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
みんなの総合評価 (4.2)
臨場感 (4.7)
アクセス (3.7)
イベント充実 (3.5)
グルメ (3.2)
アウェイお楽しみ (3.0)

1万円分の旅行券が10名様に当たる!スタナビ「スタジアムグルメ」投稿キャンペーン!

移籍情報