【町田 vs 岡山】 ウォーミングアップコラム:ロメロ フランクが語る自身の復調。そしてペルー代表への愛

2018年5月26日(土)


FC町田ゼルビアは第15節を終えて、明治安田J2の3位につけている。2年前にも快進撃を見せたが、今季は「勢い」で片づけられない充実を感じる。新戦力の中で特に大きな存在感を示しているのがMFロメロ フランク(写真)。ペルー生まれ、日本育ちの30歳だ。
 
ロメロは平塚市立江陽中から、当時の横浜F・マリノスユース監督だった安達亮氏(現カターレ富山監督)の紹介もあって青森山田高に進んだ。来日時に中学1年生へ編入した彼は、同学年の選手よりも1歳上で「ユースだと2年間しかできない」という事情があった。彼は高体連でしっかり実力を伸ばし、高2の千葉総体は青森山田の全国初制覇に貢献。流通経済大を経てプロ入りを果たした。
 
ロメロのようにハードワーク、技術、パワーをすべて持ち合わせているMFはなかなかいない。彼は町田の組織に逞しいドリブル、決定的なパスといった「個」の要素を加えた。
 
ロメロは「攻撃のときはボランチよりトップ下みたいな感じで、FWの近くまで行っていい」と自身の攻撃的な役割を口にする。ボランチが前後関係になる町田の攻撃は、彼が卒業した青森山田高と位置取りが似ている。アグレッシブに飛び出していくからこそ「奪われたときはすぐ奪えるような距離に詰めていて、切り替えも速い」と彼が説明するファーストディフェンスは機能する。
 
一方で彼は第11節・大分戦で左足のふくらはぎを痛め、そこから3試合は「お休み」をしていた。前節・栃木戦は24分間のプレーで、現状は「まだまだ100%でないけれど、そこに近づいている」という状態。ただ6月中にはベストへ戻るだろう。
 
6月にはロメロが楽しみに待っている、あのビッグイベントがある。彼に6月14日開幕のワールドカップロシア大会のことを尋ねると、「自分の国を全力で応援します」熱い答えが返ってきた。
 
彼が“優勝候補”と推すのは母国ペルー。ロメロは「国民全員が応援します。ワールドカップは36年ぶりですけど、国全体が盛り上がっていたので、その力が強い」と力強く言い切る。本国はもちろん、日本在住のペルー人も含めて出場決定時は「お祭り騒ぎ」だったのだという。
 
しかしペルー代表にはネガティブなニュースもある。ロメロが「自分が良いなと思っていた選手がドーピングで出られないかもしれない」と顔を曇らせるのは、エースのパオロ ゲレーロのこと。ゲレーロはペルー代表の通算得点記録を持つ名FWだが、ドーピング問題で処分を下されており、このままだと本大会に出場できない。
 
ロメロはこう説明する。「本当にショックでした。ワールドカップ予選ですごく活躍していて、彼がいなかったら勝てなかったという試合が多かった。最初は6か月の処分で『出られる』となって、正式決定が出たら14か月に増えた。それを国民がみんな怒っている」
 
これは昨年10月に行われたワールドカップ南米予選・アルゼンチン戦後のドーピング検査による処分だが、ペルー国民はアルゼンチンの“陰謀”を疑っているとのこと。今年5月14日に国際スポーツ仲裁裁判所が昨年11月から続く出場停止期間を「14か月」と裁定したことで、ワールドカップと処分期間が重なった。
 
ただしロメロは「ジェフェルソン ファルファンが代わりに引っ張ってくれると思います」と、FCロコモティフ・モスクワで活躍するもう一人のエースへの期待も口にする。
 
ロメロはペルー国民から見て「海外組」に当たる選手だが、国内からの注目を実感していると口にする。ペルーの有名サッカーサイトに「海外組出場時間ランキング」のコーナーがあり、大分戦の負傷で欠場する前はファルファンに次ぐ2位にロメロが入っていた。得点を量産していた山形時代には、ペルー国内のニューで取り上げられたこともあったという。
 
「注目してもらっていたし、何があるか分からないし」と彼が密かに期待していた本大会の代表入りはならなかった。しかし町田で活躍すれば、ゴールを決めればペルーに彼のニュースは届く。自身が戦う町田のピッチと、ペルー代表が戦うロシアのピッチと――。きっと熱い6月がロメロには待っている。

文:大島和人(町田担当)


明治安田生命J2リーグ 第16節
5月27日(日)16:00KO 町田
FC町田ゼルビア vs ファジアーノ岡山
町田GIONスタジアム(FC町田ゼルビア)
みんなの総合評価 (3.5)
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