【山形 vs 千葉】 ウォーミングアップコラム:それでも、阪野豊史は“名馬”であり続ける

2018年6月9日(土)


南秀仁の縦パスを引き出し、ワンタッチでニアを射抜いた前節・岡山戦の逆転ゴールは鮮やかだった。昨シーズンチームのトップスコアラー、阪野豊史(写真)が12試合ぶりに放った今季3点目だった。

スイッチとして前線から激しくボールを追い、的確にパスコースを制限する守備面での貢献は誰もが認めるところ。今季途中に守備重視の戦術に変更して以降、チームは得点力不足に陥り、阪野自身もゴールから遠ざかっていた。それが完全に解消されたわけではないが、前線3人のコンビネーションを含め、攻撃で少しずつ積み上げてきたチームのつながりは、ようやく実をつけ始めている。

同点ゴールにつながった小林成豪のPK獲得の場面でも、縦パスを送る直前の南と近い距離でパス交換したことで、南がしっかり前を向ける状況を作っている。

その阪野は第16節・金沢戦の直前、突如、練習場から姿を消した。

第12節・福岡戦の終盤で途中出場した際、後方から激しくタックルを受けた。痛みを抱えながら中2日の翌節・讃岐戦も途中出場し、2-0とリードした試合で締めの守備を完璧にこなした。次の大宮戦には先発復帰を果たしたが、福岡戦の負傷が別の箇所の異変を誘発していた。金沢戦のメンバー表、阪野の名前はベンチメンバーにも書かれていなかった。それは、4シーズンをまたいで続けてきたリーグ戦連続出場が105試合で途切れたことを意味していた。

記録がスタートしたのは2015年。浦和から期限付き移籍した栃木で、シーズンの残り6試合となったところからだった。16年には愛媛、17年には山形で全試合出場。そして今シーズンの第10節・松本戦で連続100試合出場を達成した。あまり注目されず、メディアに取り上げられることもなかったが、100試合達成後、阪野は自身のツイッター、インスタグラムで記録達成と周囲の人々へ感謝の言葉を述べている。

のちにメディアの取材を受けた阪野は、「自分の努力だけじゃなくて、今までいたチームのスタッフもそうだし、トレーナーもそうだし、チームメートもそうだし、応援してくれる家族だったり、みんなの支えの中で出れてるかなというのは改めて思います」と話し、「連続で出ているからどうとか、そこは自分は意識してないけど、ずっと試合に絡み続けることは大切なことだと思う」と意欲も示していた。

無理をして出場を続けることもできたかもしれないが、パフォーマンスが上がらないだけでなく、怪我を悪化、長期化させるケースも考えられた。記録が途切れたことは本人も無念だったに違いないが、すでに気持ちは切り替わっている。

「休んだほうがすぐに、もっといいコンディションで試合に戻れるという判断から1回休みました。でも、(休んだ)金沢戦ではチームも勝てたし、自分もしっかりいい状態になれたので、良かったと思います」

どんなにハードワークしても、また次の試合も平然とピッチに立つ。山形に頼もしい選手がいることを忘れてはならない。

文:佐藤円(山形担当)


明治安田生命J2リーグ 第18節
6月10日(日)14:00KO NDスタ
モンテディオ山形 vs ジェフユナイテッド千葉

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