【千葉 vs 愛媛】 ウォーミングアップコラム:遊び心がある一方で真面目な為田大貴は、自分らしいプレーでチームを勝たせる

2018年6月15日(金)


山形と対戦した前節(第18節)で、千葉はボール保持率こそ高かったものの、なかなか決定機を作れず、22分と56分にいずれもセットプレーから失点。苦しい状況下での81分に一矢を報いるゴールをラリベイが奪い、千葉はようやく反撃の狼煙を上げた形となったのだが、ラリベイの得点をクロスでお膳立てしたのが後半から出場した為田大貴(写真)だった。

6月14日の練習後の囲み取材で、フアン エスナイデル監督は前節の振り返りの話の中で、次のように話して為田のプレーを評価した。
「後半は為田(大貴)選手がよかったと思います。他の選手よりも個人で打開できると思ったので、交代で入れました。実際に(為田選手がプレーする)左サイドから攻撃をするチャンスもたくさんありました」
ボールコントロールのテクニックとさまざまなフェイントを織り交ぜた為田のドリブルは、まさに『仕掛ける』ことで相手をかわし、抜き去るドリブルだ。為田のその高い技術は相手にとって脅威に違いないが、本当の意味で脅威になるのはタフで物怖じしない精神力だろう。

6月6日の天皇杯2回戦・ラインメール青森戦は、延長戦が終わってもスコアは2-2と決着がつかず、PK戦にもつれ込んだ。そのPK戦もサドンデス方式に入り、千葉の6番目のキッカーの為田は自分が外せば千葉が初戦敗退となるところだったにもかかわらず、チップキックでループ気味にPKを決めた。「ここでそのキック?」という意外性と、そのキックでPKを決めたことに、スタンドの観客は思わずざわめいたほどだった。
「最初からもうあれをやろうかなと思っていた。俺が外したら負けだったし、そうならもうやろうかなと思って。何をやっても外す時は決まっていますからね。あれをやって入ったら、今日はもう勝つと思った。試合の流れも、サポーターも(試合展開に)すごく不満があって雰囲気もちょっと悪かったから。これで少しは笑って帰れるでしょ」
後日の他の選手の話によると、為田は試合前日のPK練習でもチップキックをやっていて、試合当日には「外したらごめんね」と言っていたという。そして、その青森戦で、99分の清武功暉のゴールにつながったクロスは為田が上げたものだった。
「今日はあの切り返しに相手がメチャメチャ引っ掛かっていたので。それが4、5回ぐらいあった。僕はいつもどおりというか、相手の右側に(ボールを)持ち出した時の食いつきでもうできるっていうのはわかっていたし、GKがいいところに弾いてくれたっていうのもありますけど、あそこで自分のよさを出せたのはよかったかなと思います」

普段から「自分のドリブルのフェイントに相手が引っ掛かるのは楽しい」と話し、遊び心があるプレーを見せる為田だが、それは自分の特長がチームの勝利につながるものだと強く信じているからだ。だからこそ、今節に向けての紅白戦形式の戦術練習でスタメン組のチームに入っていたとしても、チームのためを思えばこそ、こんなふうに話す。
「僕の中ではスタメンで出ても、途中から出ても変わらずやれればいいなと思いますけど、どっちかというと後半のほうが相手も疲れてきますし、自分の特長というのが生きてくるのかなと思うので、そういうところでうまく様子をうかがいながらプレーできればなと思います。試合の流れを見ながら、ボールを失ってでも仕掛けたほうがいいのかとか、そういうのは状況に合わせながらうまくできればなとは思います」

選手ならば誰でもスタメンで出たいはずだ。だが、為田は試合で自分に求められた役割を最優先に考えて実践する。遊び心のあるプレーをする一方で、ものすごく真面目なのだ。
そして、遊び心がある一方で真面目というのは取材対応の場面でもある。例えば、ある日の練習後、筆者がコメント取材を頼むと手の指で3を示し、「これ、なんだかわかります?(取材時間は)3秒です」と言ったことがあった。3分ならまだわかるが、3秒と言うところが為田らしい。だが、取材ではもちろん3分以上、しっかりと話してくれた。

今節で対戦する愛媛は前節、首位争いを演じている大分に1-0と勝ちきり、守備が大崩れすることはなく安定感を見せつつある。それだけに、為田らしい遊び心があって切れ味の鋭いドリブルでの仕掛け、そしてカットインからのシュートに期待がかかる。
「そこは常に狙っていますし、(6月12日にパラグアイと対戦した)日本代表戦でもああいう(カットインからの)ゴールというのはありました。そういうところは自分の中でも意識しつつ、チームの特長をより生かせるようなプレーができればと思います」
今季、為田にはまだ公式戦でのゴールがない。彼がピッチに立った時にはドリブルからのクロスでのアシストはもちろん、今季初ゴールが生まれるか注目したい。

文:赤沼圭子(千葉担当)


明治安田生命J2リーグ 第19節
6月16日(土)18:00KO フクアリ
ジェフユナイテッド千葉 vs 愛媛FC
フクダ電子アリーナ(ジェフユナイテッド千葉)
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