【北九州 vs 鳥取】 ウォーミングアップコラム:憧れを追ってスプリント。野口航が起こす勝利への「アクション」

2018年6月29日(金)


「もっと要所要所の質を上げていければ、いいサッカーにつなげていける」。言葉にそう力を込めたのは大卒ルーキーの野口航(写真)だ。3月のホーム開幕戦のあとはしばらく戦列を離れていたが、5月6日のC大23戦で途中出場すると、第11節G大23戦からスタメンをキープ。指揮官が交代したばかりの前節もオーバーラップして積極的に攻撃参加した。
 
北九州の現在地は最下位。得点数、失点数などの分かりやすい数値も低迷し、ついに監督も代わった。プロ1年目で経験するにはあまりにもつらい日々が続くが、野口は思考停止には陥らない。「上がっていくしかない状況。監督が代わってスタイルも変わったので、極端な話で言えばゼロからのスタートという気持ち。フレッシュな気持ちでやれています」とひたむきに前を見てプレーを続ける。
 
就任したばかりの柱谷哲二監督は「攻守において自分たちからアクション」を起こすと強調する。野口がプレーするサイドバックにも、現代サッカーのトレンドと同じ運動量やタフさが求められている。それは野口のプレースタイルにも合致し、「攻撃に関しては自分から前に行き、どんどん攻撃に加わる。守備でも自分から奪いに行くという『アクション』は、自分でもテーマとしてやっている」と話す。とりわけクロスにはこだわりがあり、「チームとしてペナルティーエリアの中に入っていく回数は増やそうとしているので、サイドの選手としてはクロスボールをどんどん供給していくことも役割」と強調する。
 
大学時代は初めは左サイドの高い位置でプレーし、次第に左サイドバックでのプレーが中心となった。今は右サイドにプレーエリアが移ったが「もともと右利きなので違和感はない」と話し、攻守の「アクション」起こしに注力。前節の福島戦は2-2の引き分けに終わったものの、度重なる仕掛けが効いて連敗をストップした。「開幕からの数試合に比べてシュート数も違ったし、ゴール前に入っていく回数も以前の試合に比べて多かった。順位も順位なので勝ちきりたかった。引き分けだったのはもったいない。勝ちたい試合だった」。悔しさがにじんだが、内容には手応えがあった。
 
目標にしているのは川崎Fの車屋紳太郎。「高校、大学の先輩。ポジションも被っていて、目標や参考にしている選手。いつかは自分が追いついて、追い越せるくらいの選手にならないといけない」と憧れる。カテゴリーが2つ上の車屋と同じ舞台に立つためには、もっと技術を磨き、チームに勝利を運び続けなければならない。「クロスを上げるだけじゃなくて、そのクロスを得点に結びつける。アシストやシュートだったりの数字にはこだわってやっていきたい」。
ゴールの先には勝利があり、勝利の先には夢が広がっている。道のりのスタートはこのチームを勝たせること。上を目指す野口の勝利へのスプリントに注目だ。

文:上田真之介(北九州担当)


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