【栃木 vs 山形】 ウォーミングアップコラム:J2通算最多の95ゴール目を挙げたストライカー大黒将志の変わらぬ姿勢

2018年7月14日(土)


どのチームでもゴールを生み出せる理由がよくわかる。そんな今季のここまでだ。
前節のゴールも一発で相手DFの背後をとって陥れた、大黒将志(写真)らしいゴールだった。パスの出し手の岡﨑建哉がボールを持った瞬間は、なにくわぬ顔で相手DFの気をそらしているが、次の瞬間にはもう相手GKと1対1の状況を作り出していた。
「今まで対峙してきたFWの中で一番動き出しが速いと思う」
普段の練習で大黒と対峙する機会も多いDF福岡将太がそう表現しているが、38歳になった今季も大黒の最大の武器は何も錆びついていない。

今季は有力なパサーが不在だった栃木に加入し、果たしてゴール数が伸びるのか当初は懸念された。さらにシーズンが始まると希少なパスの出し手である新加入の寺田紳一がケガで長期離脱。チーム自体も復帰したJ2で苦戦を強いられ、守備の時間が長くなる試合を繰り返していた。大黒にとって厳しい状況だった。
だが、それでも大黒は周りにパスを要求し続け、自分とのパスのラインを構築する努力をやめなかった。声をかけられるタイミングで何度でも自らの意図を繰り返して伝え、諦めなかった。そうして自らも準備した。少ないチャンスになるとわかっていた。ならばワンチャンスを決め切ってやろうと腹を据えた。
「大黒のすごさは、試合の90分間の中で動き直しを何度も繰り返せること。ゴールが匂うシーンでは一回でダメならば、二回、三回と瞬間的に動き直しをしてボールを受ける態勢を作り直している。あれだけ愚直に動き直しを続けることができる選手はなかなかいないですよ」
昔から大黒を良く知るある指導者が話していたが、大黒は今それをハードな前線からの守備というタスクもこなしながら続けている。
「走れるねえ」
かつて大黒とともにプレーし、すでに他チームの指揮官として活躍する同世代から試合会場で声を掛けられる姿が何度もある。本当によく走る。そしてよく相手の隙を狙っている。

9試合勝ちから見放された栃木は前節、アウェイで町田と非常にシビアでタフな戦いを強いられたが、迎えた15分、大黒が今や栃木の新ホットラインと言っていい岡﨑建哉から要求どおりのロングスルーパスを引き出し、次の瞬間に相手DFを数メートル引き離した時点で勝負はあった。
「なかなか勝てていない中で、何としてでも勝ちたかった試合。GKの動きをイメージしたのと、(岡﨑)建哉がよいパスをくれたのでそのおかげだと思う。また次の試合も勝てるようにしっかりと準備したい」
大黒はさらりと言って会場を後にしたが、それはチームの連敗を6で止める貴重な決勝ゴールであり、J2通算のゴール数で歴代最多となる95点目のゴールであった。大黒がこれまでのキャリアで積み重ねてきたものが凝縮した、らしさ全開のゴールだった。

文:鈴木康浩(栃木担当)


明治安田生命J2リーグ 第23節
7月15日(日)19:00KO 栃木グ
栃木SC vs モンテディオ山形
栃木県グリーンスタジアム(栃木SC)
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