【千葉 vs 金沢】 ウォーミングアップコラム:大怪我から復活した乾貴哉は守備面での活躍も誓ってピッチを走る

2018年7月14日(土)


2017年11月5日、乾貴哉(写真)に悲劇が起きた。乾はそのシーズンの途中からスタメンに定着して活躍するようになっていた。だが、明治安田生命J2リーグ第40節・町田戦の36分、相手選手と競り合ったあとに利き足の左足を気にする様子を見せると、その後はピッチに座り込んでしまった。そして、担架に乗ったままピッチを出て、40分に岡野洵と交代。試合は2-1で勝ったが、近藤直也が硬い表情で「乾は泣いていた。乾のためにも何とか勝ちたいと思ったし、勝ったけど、素直に喜べないですね。仲間がああいうふうに怪我して、自分も怪我をしたことがあるので、気持ちがわかるから」と語ったことから重傷が予想された。そして、11月10日にクラブが発表した乾の怪我は左膝蓋腱断裂で、全治は約6ヶ月だった。

その発表の前日の11月9日に手術を行なった乾は、リハビリメニューに取り組み、公式戦復帰を目指してきた。左サイドバックのスタメンには今季、加入した高木利弥が定着する一方で、ジョギング、ボールを使ったメニュー、そして全体練習に合流と徐々に回復。そして、6月6日の天皇杯2回戦・青森戦で左サイドバックとしてスタメン出場という形で、ついに公式戦に戻ってきた。PK戦までもつれこんで千葉が3回戦進出を果たした一戦で、乾は80分まで出場。乾のクロスが相手選手に当たってこぼれ球から指宿洋史が得点という貢献もあったが、試合後は反省の弁が多かった。
「まずは試合に勝ったことが一番よかったと思います。それと天皇杯で復帰ができたことは嬉しかったです。初めはちょっと試合勘が戻っていないのかなと思ったんですけど、時間が経つごとに感触も戻ってきたので、そのぶんはいい試合ができたと思います。最初の失点は、自分が(得点を)決められた選手についていれば防げた失点だと思うので、あそこを頑張ってあの選手について行ければいいかなと思います。もうちょい僕が絞っていれば、何の問題もなかったと思うので、あそこは改善していきたいです」

6月16日からのJ2リーグ第19節・愛媛戦からは交代出場するようになったが、左サイドバックではなく左サイドハーフでの出場。それでも「監督に言われているのは守備の時のポジショニングで、それはまだまだできていないんですけど、攻撃よりも守備をけっこう意識しています。慣れていないポジションなので(苦笑)、より一層気を使います」と課題の守備に言及することが多い中で、乾の立場は急に大きく変わった。7月4日にクラブから高木の柏への完全移籍が発表されたのだ。

本職の左サイドバックとしてスタメン出場した第22節・大宮戦は、先制しながらも1-3の逆転負け。乾は前半にはCKから大宮の選手にクリアされなければゴールインのヘディングシュートを放ち、後半にはゴールマウスを捉えながらもGKにセーブされたロングシュートもあったが、自分のいるサイドからのクロスでの失点もあった。それだけに、7月13日の練習後には次のように大宮戦を反省し、今節の金沢との戦いについて話した。
「攻撃では自分の特長が出せたと思うんですけど、ディフェンス面では1失点目、2失点目は自分のポジショニングの悪さもあったし、前(の選手)とのコミュニケーション不足でのあの失点だったので、そこはしっかりと話して、しっかりできるようにやっていきたいです。攻撃ではアグレッシブさを全面に出そうかなと思っていて、攻撃みたいにディフェンスもアグレッシブさがあれば強いので、次の試合では出したいと思います。失点が多いので、初めはちゃんと守備からやりつつ、攻撃の最後のクオリティを上げていって、点を取れれば勝てると思います。サポーターの皆さんの期待に応えられるように、次の試合は勝利で飾りたいです」

サイドバックとしては珍しく187センチの長身で、抜群のスピードはないものの相手をうまくかわして突破するドリブルも武器。見た目の雰囲気や積極果敢なプレースタイルに反して、普段の取材対応時は声が小さいというギャップがある乾は、レベルアップすれば日本代表も狙えるのではないかという期待もサポーターが抱いて応援する生え抜き選手だ。サポーターも望んでいるチームの勝利のため、乾はJ2リーグワーストの41失点というチームの失点阻止を目指し、守備面での活躍も誓ってピッチを走る。

文:赤沼圭子(千葉担当)


明治安田生命J2リーグ 第23節
7月15日(日)18:00KO フクアリ
ジェフユナイテッド千葉 vs ツエーゲン金沢

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