【栃木 vs 岐阜】 ウォーミングアップコラム:川田拳登、その右足に気持ちをこめて。

2018年8月3日(金)


その右足のクロスボールには気持ちがこもっていた。

前節金沢戦の後半、64分と74分、そして後半アディショナルタイムと、栃木は右サイドのクロスボールから決定機を掴んだ。クロッサーは川田拳登(写真)。ゴール前のニアサイドのDFの頭をわずかに越え、相手GKが届かない絶妙なエリアにボールが落ちていく。

「厳しいところにボールを入れていけ」

それは横山雄次監督が常々要求するクロスボールのクオリティを満たした、相手にとって危険なボールだった。川田の気持ちがボールに乗り移ったかのようなそれだった。

「前日の練習中に監督からクロスボールの質について指摘されていたんです。ボールを上げる場所とか、質とか。それでクロスボールを蹴り込んで、意識して迎えた試合でした。しっかりと気持ちは乗せられたと思っています」(川田)

 手応えはあった。長いトンネルを抜け出したのではないだろうか。

今季がスタートした頃、右サイドのウィングバックに起用されても、転じた攻撃では精彩を欠くシーンが続いた。そうして久富良輔との激しいレギュラー争いで後手を踏み、ベンチでくすぶっていた。

「攻撃に切り替わって相手陣内でボールを持ったときにちょっと迷いがあるんです。一体どうしたらいいのか……」

苦悩の胸の内を吐露したこともある。が、その苦しい状況を乗り越え、掴んだものがあるようだ。

後期戦に入り、チームが前期戦よりも前でボールを奪えるようになり、前で起点を作れるようになった影響もある。

「右サイドのヘニさんや(浜下)瑛君、(西谷)優希君が前でボールをキープできるから、自分が上がっていきやすいのはあります」

攻撃参加するタイミングを掴むと、右サイドの仲間たちと短いパス交換を繰り返しながら、密集を縦方向に潜り抜けていく。そのスピードとドリブルの鋭さは天性のものだ。もともとはFWや右サイドハーフをこなしてきている。昨季は夏に栃木に加入し、FWとして出場すると立て続けに3ゴールを奪ってシンデレラボーイになった。勢いに乗れば乗るほど活躍するタイプだ。

「でも、いいクロスボールは上げられているけど結局はゴールになっていません。まだまだ課題があると思うし、引き続き、チームのタスクをしっかりこなしながら、積極的に攻撃に絡んでいきたいと思います」

エンジンがかかってきた今、ここで一つでもアシストやゴールという結果を掴めば、さらに乗っていける。

文:鈴木康浩(栃木担当)


明治安田生命J2リーグ 第27節
8月4日(土)19:00KO 栃木グ
栃木SC vs FC岐阜
栃木県グリーンスタジアム(栃木SC)
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