【浦和 vs 長崎】 ウォーミングアップコラム:岩波拓也、一つ一つが決戦の覚悟で

2018年8月4日(土)


もしかすると今、チームの中で誰よりも結果に飢えている選手かもしれない。

今季から加入した岩波拓也(写真)は前所属の神戸ではレギュラー格のDFとして活躍していたが、その座を捨てて新たな挑戦の場として選んだ浦和では思ったような出番を得られていなかった。しかし、遠藤航がベルギーのシント=トロイデンVVに移籍したことで右センターバックのポジションが空くと、そこに入ったのが岩波だった。

思わぬ形で巡ってきたチャンスだが、この好機は絶対に潰すわけにはいかなかった。リーグでは4月25日の柏戦以来のスタメンとなった7月28日の広島戦、岩波は悲壮の覚悟を持ってこの一戦に臨んだ。

「この試合で負けると航君の存在の大きさにまたチームとして気付かされる一戦だったので、とりあえず勝って安心している」

これはその時の正直な心境だろう。仮に自分のミスでなかったとしても、チームとして失点して負けてしまうとDFは評価されにくい。ようやくポジションをつかめるチャンスがきた大事な初戦、しかも相手は首位の広島という格好のアピールの場。なにがなんでも勝利がほしかったはずだ。

ただ、喜びもつかの間だ。まだ自分がピッチに立って1試合に勝っただけ。「定位置をつかんだわけでもないし、いいプレーをしたわけでもない」。継続していかなければ意味がないのは、誰よりも本人が一番わかっていた。

広島戦から中3日で迎えた川崎F戦も、岩波にとってはやはり決戦のような心持ちだったはずだ。その試合で岩波は開始早々、武藤雄樹に絶妙なパスを通し、それが興梠慎三の先制弾につながった。

「前節は消極的なショートパスが多かった。それはそれで良いけど、自分の良さは何かと考えた時に何回か良いパスを通すことができた」

最終ラインから攻撃の起点になるパスを出せることは持ち味の一つだ。それを結果という明確な形で証明できたのは大きい。ただ、その一方で、逆サイドにいる宇賀神友弥を狙ったフィードをカットされてカウンターを受けたり、最前線に走り込んだ柏木陽介を狙ったパスがインターセプトされてカウンターを受けたシーンもあった。さらに精度やタイミング、状況判断を磨いていく必要はある。本人も「逆にミスになってまた守備に回る時間も何回かあった」と反省を口にする。

居場所をつかみとるために、一つ一つ積み重ねていく。岩波は長崎戦でもチームのため、自分のために貪欲に勝利を目指すはずだ。

文:神谷正明(浦和担当)


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