【秋田 vs 藤枝】 ウォーミングアップコラム:より相手ゴールに近いポジションへ。型破りの古田寛幸が攻撃で真価を発揮する

2018年8月25日(土)


シーズン途中で指揮官交代が行われ、間瀬秀一監督が復帰して再スタートを図った秋田は、第18・19節を1勝1敗として中断期間に入った。その2試合ので、これまでとは異なる役割が与えられた選手がいる。その1人が古田寛幸(写真)だ。

主に右WBを務めてきた古田は2シャドーの一角に入り、より相手ゴールに近いポジションでDFを脅かした。ゴールやアシストという結果にはならなかったが、ボールを持ってDFと対面するときの気迫や相手ゴールに向かおうとする推進力、ここぞという場面でシュートを放つ積極性は、後半戦のさらなる飛躍を期待させてくれるものだった。

「いまやっているプレーが、(自分の)本来のプレーという感じはしますね。もっと良さを出せると思います。比較的自由に動けるので自分のプレーを出しやすいところではあるんですけど、あのポジションに入るからにはより攻撃的なプレーが求められると思うので目に見える結果を強く意識してやっていきますし、まだまだ改善していくところです」

そうした意識の変化なのか、古田のプレーの節々からは楽しさのようなものが感じられる。本人はどのような意識を抱いているのだろうか。

「まわりの人にどう見えているかわからないですけど...自分としては生き生きやれているのかなと思います。だからこそいままでよりもひとつのミスに対して『もっとできたんじゃないか』という後悔の念があったりするので。よりこだわってプレーしたいです」

古田の中断期間のテーマは「チームとしても個人としても、シュウさん(間瀬監督)が求めていることを体現して、プラスアルファで自分のプレーを出すこと」だった。古田は間瀬監督について「言葉に強い力がある監督」だと話す。「僕たちがゆるい雰囲気でやっていたら、熱く燃えたぎるような気をもたらす監督であり、意識はしていたがまだまだ足りなかった部分をもう一度思い起こさせてくれた監督」だという。

「僕自身も秋田に来て、いままでと違うポジションでプレーしていましたけど、シュウさんは僕が18歳のときからやってきたプレーや、そのころから課題としてきたプレーをもう一度言われたというか...それを求められてきた、このプレーをするためにずっとやっていたなというのを思い起こさせてくれました」

間瀬監督から掛けられた言葉で印象に残っているものはいくつかあるが、そのなかでも古田に響いたのが「もっと自由にプレーしては」というものだ。

「現代サッカーでは意外と『自由にやったら』と言われないんですよね。僕はそれをわがままに自分のやりたいことをやるという意味ではなく、型に縛られることなく自分の発想でやってみることと捉えて、それから吹っ切れました。チームとしてやるべきことを練習で積み重ねるなかで、考えすぎて自分を型にはめようとしすぎたというか。シュウさんは『型にはめるよりは型破りなサッカーを』とよく言っています。自分のなかでもカチカチな頭にならずに、クリエイティブなインテリジェンスの高いプレーをしていきたい。それを求められているし、自分の課題としてやっています」

今節対戦する藤枝でも監督交代があった。第19節終了後、古田にとって札幌時代の恩師にあたる石崎信弘監督が就任した。古田は2009~2012シーズンに石崎監督の指導を受け、J1昇格とJ2降格という大きな節目もともに経験した。石崎監督の人物像について尋ねると、古田は「『お父さん』という感じですかね。イシさん(石崎監督)がどう思っているかはわからないですけど、僕はそんな感じです」と微笑んだ。

「高3からずっと一緒に練習させてもらって、わがままな小僧だった僕をずっと見捨てず声を掛けてくれた。J1昇格もJ2降格も、全部一緒に経験させてもらった監督だったので、もう1回同じ舞台で対戦できるのは嬉しいです。あの頃よりも進化した自分を見せたい気持ちはありますけど、ただそれは個人的なもの。藤枝に勝つことを第一に取り組んでいます」

すべての経験は無駄にならない。むしろこれまでの過程があったからこそ現在があり、これからをより明るいものにしようと尽力する。「J2に昇格したい」と言い切る古田が、チームとともにJ3後半戦を戦い抜く。

文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第20節
8月26日(日)15:00KO A‐スタ
ブラウブリッツ秋田 vs 藤枝MYFC