【栃木 vs 岡山】 ウォーミングアップコラム:堅守栃木の守護神、竹重安希彦を変えたもの。

2018年8月31日(金)


9試合負けなし、その間わずか2失点。堅守の理由をGK竹重安希彦(写真)はこう見る。

「いざ守るとなったときの全員の守備意識の高さ。コンパクトさもあるし、相手にクロスボールをあげられても、中でタイトにマンツーマンで付くことが徹底されている。そこが一番大きいと思います」

精度が上がってきた全員守備による堅守。だが、その中心にいるのは紛れもなくGK竹重安希彦だ。

「タケ(竹重)は僕が監督になってから2年間ずっと使ってあげることができず、今年もそうでした。ただ、試合に出ていないときにもチームに貢献をしてくれていたので、いざ試合に出たときに周りの信頼があったと思いますし、タケを勝たせてあげたいという周りの選手たちとの繋がりがあったことが大きかったと思います」

2試合前の福岡戦。8試合負けなし、そして2試合連続でクリーンシートを達成した試合後、横山雄次監督は竹重への信頼を口にした。

今季、竹重が初出場を飾ったのは22節町田戦。リーグ戦出場はおよそ1年ぶりのことだった。チームが6連敗と苦しんでいたときで、順位はJ3降格圏の一歩手前となる19位まで下げていた。これ以上連敗が続けば、再びJ3への降格も免れない状況だったが、このとき竹重がゴールマウスに立ち、そして二度のビッグセーブを含む好セーブによってチームを救った。

6連敗を止めたチームはこのときからまだ一度も負けておらず、竹重の安定したプレーぶりは目を見張るものがある。

この2シーズン、出場機会に恵まれなかった竹重にいったい何が起きているのか。

「自分を変えた経験といえば、3年前にJ3へ降格したことは忘れていないし、それはずっと頭の中にあります」

3年前、栃木はJ2の残留争いを繰り広げていたが、このときゴールマウスを守っていたのが竹重だった。シーズンも佳境、勝点1でもほしい試合ばかりだった。だが――。

チームは39節徳島戦の後半アディショナルタイム、そして40節のアウェイ北九州戦の後半アディショナルタイム。いずれも試合終了まであと数秒というところで信じられないような土壇場の失点を、しかも2試合連続で喫して、勝点を逃がした。痛恨だった。この2試合が決定的なダメージとなり、チームは抵抗虚しくJ3へと降格した。

「悔しいのと、情けないのと、申し訳ないのと。あれから、ずっと同じ準備をしてきてつもりですが、あのときの経験が何よりも自分をより成長させてくれていると思います。あの年は、自分のミスでチームのリズムを悪くしたり、最後のところで踏ん張れなかったり、徳島戦や北九州戦の最後の最後にやられたり……。あんな苦い経験はもうずっと忘れないし、だからこそ今、それを毎試合思い出しているんです。自分への戒めじゃないけれど、あえて試合前にも思い出すし、試合中にも思い出します。リードしている試合の88分くらいにこう自分に言い聞かせるんです。『まだだぞ。もう一回、必ずピンチが来るぞ』って」

栃木の守護神、竹重安希彦を支える2015年の追憶。過去の失敗を乗り越え、成長しようとする強い思いがそこにはある。

文:鈴木康浩(栃木担当)


明治安田生命J2リーグ 第31節
9月1日(土)19:00KO 栃木グ
栃木SC vs ファジアーノ岡山
栃木県グリーンスタジアム(栃木SC)
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