【熊本 vs 大分】 ウォーミングアップコラム:京都時代の経験を糧に。ピッチに変化をもたらす、MF伊東俊のフレキシビリティ

2018年9月7日(金)



はじめに、平成30年北海道胆振東部地震で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。2年前、今回と同じ最大震度7を記録した熊本地震の体験者の1人として、また渋谷洋樹監督をはじめ、北海道出身のスタッフ、選手がこれまでもいまも、多数在籍してきたこと、プレシーズンには北海道コンサドーレ札幌が熊本でキャンプを行っていることなど、縁のある地で起きた大きな災害に胸を痛めています。どうか1日でも早く復旧が進み、平穏で安心した時間を過ごせる日が戻ることを願います。

さて、札幌市北区出身のMF伊東俊(写真)にとっても、今回の地震は衝撃的なもの。同じ北海道出身のMF上原拓郎、札幌に家族を残し期限付き移籍中のDF横山知伸らとともに、郷里を気にかけている。しかし「試合のことは切り離して考える」と、なかなか浮上できないチームにあって、いかに役にたつかに専心する。前節の古巣・山形戦では後半から出場して攻撃のリズムを変え、大宮戦以来5試合ぶり、自身の今季2点目となるゴールで同点に追いついたが、チームは終盤の失点で勝点をこぼした。

京都から加入した今シーズン、開幕から3試合連続で先発出場したあと中盤に入ってからは交代出場の機会が増え、その後スタメン復帰もあったものの、前節は4試合ぶりの出場。決して伊東本人の調子が安定しないわけではなく、チーム事情からいろんなパターンで起用されているのが実情だ。しかし別の見方をすれば、それだけ重要な存在だと言える。

「選手なら誰しもスタートから出たいはずだし、なかなかゲームに絡めていない選手もいる中で使ってもらえるのはありがたいこと。交代出場の方が効果的だということで、それがチームの役にたつならそれでいいと思ってます。もちろん、出れば『何かやってやろう』っていう気持ちはあるけど、ボールを持っている選手から見て気の利いたポジションを取ったり、確実にキープして周りを生かしたりすることも、この年になって意識するようになりました」

こうしたスタンスは、京都で共にプレーした田中マルクス闘莉王から影響を受けたものだ。
「チャレンジするのはいいことだけど、チームの約束事がある中でうまくコントロールしないといけない。自分がボールを奪われて失点したこともあって、トゥーさんからは『簡単なプレーほどしっかりやれ』と言われていました。サッカーはチームスポーツだし、みんなで奪ったボールは大事にしながら、1人1人が役割を果たさないといけない」

心がけるのは、「周りがどうなっていて、自分がどんなプレーをするべきか」。ボールを動かすテンポが遅ければ加速させ、逆に急ぎすぎていると感じれば「ギアを落として」周りを押し上げさせるなど、変化をつける。

今節の大分戦も、試合の流れを読み取るのはポイントの1つ。「いろんな選択肢から、流れや状況を見て臨機応変にやりたい」と話す伊東の柔軟な発想とプレーが、チーム全体のアクセントとなる。




文:井芹貴志(熊本担当)


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