【千葉 vs 福岡】 ウォーミングアップコラム:「1試合、1試合が全て大事なので、必死にやるだけ」新守護神・大野哲煥

2018年9月15日(土)


今季、得点数は常にJ2リーグ最多クラスでありながら、失点数もまたJ2リーグ最多クラスということもあって低迷している千葉。だが、第31節・山口戦を4-0の無失点勝利で終えると、前節の岡山戦は2-0とまたもや無失点での勝利となった。千葉にとっては今季2度目の2試合連続無失点勝利だが、今回の連勝に大きく貢献したのは前述の山口戦がJデビューとなった大野哲煥(写真)だった。

2016年に城西国際大学から加入した大野は、2017年シーズンに第24節から6試合連続でのベンチ入りはあったものの、出場のチャンスはなかなか巡ってこなかった。今季は1試合もベンチ入りがなかった状況から、いきなりスタメンに抜擢されたが、山口戦でJデビュー戦とは思えない落ち着きと安定感のあるプレーを披露。ボールをこぼすことがほとんどない正確なキャッチングに加えて、42分には山口のジュリーニョのシュートがすぐ目の前にいた味方の選手に当たってコースが変わったのに反応し、左手でセーブした。その後、ボールはクロスバーに当たってノーゴール。45+3分に千葉は先制点を奪っただけに、直前の大野のセーブがなければ、試合展開はまた違ったものになっていたかもしれない。

島根県出身の大野の両親や親戚は試合が開催された山口県の隣県や近県に在住していて、記念すべき試合を観戦できたのは嬉しいプレゼントになったはずだ。だが、9月7日の練習後、大野は念願だったJデビュー戦のプレーについて、実に冷静に振り返っていた。
「特にっていう感じはあまり思っていなくて、今、思えば、すんなり(試合に)入れたなっていうのが自分の感想です。不安もなく、いい意味で試合前も少し楽しみで興奮していて、それでも昂らずリラックスできて入れたのがよかったなと思います。チームは失点がすごく多いというのは自分も気にかけていましたし、こうやって自分が出番をもらった時に(失点を)ゼロで抑えるというのもすごく意識してやっていました。でも、要は結果でチームが試合に勝つということがすごく大事なので、無失点にはこだわらなかったんですけど、そこに失点ゼロというのがついてきた感じだと自分は思っています」

フアン エスナイデル監督はその試合のチーム戦術や選手のコンディションによってGKのスタメンを変えるほうではあるが、それでもGKが初めてJリーグ戦に出場するためのハードルは一般的には高いといっていい。プロ入りしてから3シーズン目でのJデビューが自分にとって長かったのか、そしてJデビューを経験して何か変わったところがあるのか聞くと、大野はこんなふうに答えた。
「長いっちゃ長いけど、その間も自分としてもしっかり練習をやってきたし、準備してきたので。いつチャンスが来てもいいように備えてきたので、そのぶんに関してはそこまで早いとも感じないし、1つのチャンスをつかみ取るっていうためにずっとやってきてよかったのかなと思います。試合に出たからって自分の態度が変わったりするのもあんまり好きじゃないし(笑)、普段どおりがたぶん一番いいので、このままの感じで。でも、やっぱり試合に出て、それはすごく自信になったので、自信だけはしっかり感じて、あとは自分どおりでやればいいかなと思っています」

続けてスタメン出場した岡山戦では、千葉が2分に先制してすぐの5分にPKのピンチがあった。だが、大野は9月14日の練習後に「最後まで(相手のキックを)見ることができたから足で反応できたし、右足を残せたので。そこは我慢強く駆け引きができたかなと思いますね」と振り返ったように、横っ飛びした状態でPKを右足でセーブ。試合の流れを相手に渡さないビッグセーブを2試合連続で見せた。この活躍に今節も大野のスタメンの可能性が高まるが、前節までの2試合がアウェイゲームだったのに対して、今節はホームゲームでフクアリデビューとなる。しかし、大野の反応は意外なものだった。
「そこは別にあまり意識していないです。(今節の)相手(福岡)も上位というか、自分らが狙っているところ(J1昇格プレーオフ進出圏内)にいるので、そういう意味でも大事な試合とかっていうのもあまり特別視しなくて、自分的にはもう1試合、1試合が全て大事なので、必死にやるだけなんです。変に頭の中に入れるのがあまり好きじゃないので、あまり何も考えないでやりたいんです。頭の中をクリアにした状況で試合をやるほうが集中できるので、アウェイだろうが、ホームだろうが、相手がどうだろうがっていうのはあまり考えたくないですね。たぶんサポーターの人からしたらそういう特別なものはあると思うんですけど、自分は気にせずに自分のプレーに集中したいです」

常に自然体でいる大野の性格を考えてのことなのだろうか。エミリオGKコーチはJデビューした大野に対して、オフ明けの最初の練習の際に「よかったぞ」と一言褒めただけだったという。9月14日の練習でも、ハーフコートでのミニゲームで大野が低めのクロスへの対応が遅れて失点すると、エミリオGKコーチはすぐさま「視野を広くするように」といった感じの仕草でアドバイスを送り、大野曰く「普通」という指導の様子だったそうだ。
「ビルドアップのところのキックの精度がまだまだ」と試合で改めて感じた課題に取り組みつつ、大野は自然体で平常心を失うことなくフクアリデビューに臨もうとしている。

文:赤沼圭子(千葉担当)


明治安田生命J2リーグ 第33節
9月16日(日)17:00KO フクアリ
ジェフユナイテッド千葉 vs アビスパ福岡
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