【山口 vs 大分】 ウォーミングアップコラム:苦境の山口を救うストライカー、岸田和人。勝利へと再始動

2018年9月21日(金)


「前節までの課題を見つめ直し、身体はすごく動けているので、その勢いを継続して出せればいいなと思う」。岸田和人(写真)はいつもの笑顔で取材に応じたが、表情の中に確かな自信が覗いた。

山口は前節、松本と対戦して0-0の引き分け。失点が続いていたチームは3カ月ぶりに無失点でゲームを閉じ、アウェー戦で勝点を拾った。「守備はみんな頑張っていた。ここ何試合ずっと取られていたので、意識してやってきた。そういう意味ではピンチもあったが、みんなで守れたのは大きな収穫だった」。自らファーストディフェンダーとなり、高い位置から献身的に動いた岸田はスコアをそう振り返る。

ただ「FW」としては悔しさのほうが残り、「守備がすごく頑張ってゼロで抑えたにも関わらず、前線が点を取れなかった。チャンスはもうちょっと作れていた。アウェーでも勝つことはできた」とも話した。「やっぱり守っても勝ちにはつながらない。点を取って初めて勝ちにつながる」。一度も揺れなかったゴールに、FWとしての気持ちが高ぶった。

シーズン前半戦はスタメンでの出場機会はなく、3トップは若手が中心だった。それでも腐ることなく戦術理解に努め、夏場以降は出場機会を奪回。目下10戦連続出場中で、直近2試合はスタメンにも名を連ねた。しかしポジションの近い選手たちは新加入が目立ち、岸田は自分のプレーを押し通すのではなく、コミュニケーションを重視する。「もっとボールに絡み、もっと裏に飛び出したり、自分の得意なプレーだったりを出したいが、サッカーはチームスポーツ。どう自分が話して連係を上手く取り、チームのプレーに関わっていくかが重要になる」。

ほぞをかんだ前節は、岸田にボールが入る前に攻撃がすぼんでしまっていた。「崩しかけたところでシュートに行ってしまっていた。打てるとき打つのも大事だと思うが、この前の試合ではもっと展開を作っても良かった」。試合に出て感じる部分を周りと共有するのもコミュニケーションの一つ。「自分が」ではなく「チームが」勝つために何が必要か。岸田はゴールへのイメージを膨らませ、愚直にチームに向き合っている。

今節は双子の弟・岸田翔平との兄弟対決があるかもしれない。また、大分には岸田和人のあとに鹿児島でJ3得点王に輝いた藤本憲明も所属する。ストライカーとしての矜恃に火を付ける試合になるのは間違いないが、むろん最優先するのはチームの勝利。「自分が点を取れれば一番いいが、チームとしても、個人としても、やるべきことをしっかりやってチームの勝利に貢献できるようにいい準備をしていきたい」。圧倒的なゴール数で山口をこの舞台へと導いてきたストライカーが、今年も勝ちに飢えるチームを救おうとしている。

文:上田真之介(山口担当)


明治安田生命J2リーグ 第34節
9月22日(土)19:00KO みらスタ
レノファ山口FC vs 大分トリニータ

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