【秋田 vs 富山】 ウォーミングアップコラム:攻撃的サッカーを楽しみ成長する松本拓也、ホーム最終戦の勝利のために最後方からチームを支える

2018年11月17日(土)


松本拓也(写真)が秋田に加入したのは2015年のこと。前所属の北九州から戦力外通告を受けてのものだった。その北九州が2017年にJ2からJ3に降格し、松本にとっては借りを返すチャンスがやってきた。しかし松本はシーズン開幕直前の怪我により、北九州のホームでの開幕戦に出場するチャンスを逃した。しかも開幕戦の舞台は、その日がこけら落としの「ミクニワールドスタジアム北九州」だっただけに、プレーへの思いは強かっただろう。

松本は2017年の後半にポジションを勝ち取り、秋田のホームで北九州を破る。それでも北九州のホームで北九州と戦って勝つことへの思いはあったようだ。

ようやくそのチャンスが訪れた前節の試合前、松本はこう話していた。「楽しみながらしっかり勝って、クラブ(北九州)を見返したいという気持ちがある。ただサッカーは個人競技ではないし、そういう感情は前面には出さない。チームのみんなに助けてもらって、チームとして良い結果を出したいと思います」

その言葉のとおり、秋田は北九州を0-2で下す。松本は「自分のなかでは、北九州のホームで北九州に勝つことが大きかった」と振り返った。

この勝利で秋田は8試合ぶりの勝点3を手にし、連敗を4で断ち切ることに成功。直近7試合で14失点と苦しんでいた守備も機能して8試合ぶりの無失点を達成。さらに前節のC大阪U-23戦の大敗から盛り返したという点でも、チームにとって大きな意味があった。

秋田は今シーズン途中から新しく間瀬秀一監督が就任。プロ生活でシーズン途中の監督交代は初めてだったという松本だが、間瀬監督とは2015年から2年間苦楽をともにした間柄で、切り替えはスムーズにできたという。

一方、サッカーの面では大きな変化があった。ロングボールを多用していた2017~2018シーズン途中までとは180度方向転換し、間瀬監督は最終ラインからビルドアップしてゴールを目指す攻撃的なサッカーを採用。これにより、もともと松本が強みとしていたビルドアップに関わる能力がより生かされることになった。相手のプレスをかわしながらGKへのリターンを受け、ディフェンス陣と連係してボールをキープし、パスコースを作って次の攻撃につなげた。

秋田はその新しいサッカーで第20節から3連勝するなど船出は順調だった。しかし、その後は3試合連続引き分けの後に4連敗と結果が出なかった。後方でのパス回しの場面でボールを失いカウンターのピンチを招いたり、セットプレーであえなく失点する場面が続いた。

こうして迎えた北九州戦。松本は無失点で勝ち切った要因のひとつに、セットプレーの守備があったと見ている。「最後まで相手に体をつけるとか『やられない』という雰囲気づくりがあった。同じことを繰り返してしまっていたなかで、結局そこがポイントになるのはみんなわかっていたと思います。それぞれが自分の仕事をまっとうした結果があの試合でした」という。

これまでの積み重ねがあり、ビルドアップの質も向上している。「ボールポゼッションが目的ではない」と松本が言うように、攻撃的にプレーして相手ゴールを目指さなければならない。そのためには短いパスだけでなく、前線へのハイボールやサイドチェンジなどの長いパスも織り交ぜる。ボールを扱うスキルに加えて周囲を見て瞬時に判断する能力が求められるが、相手にカットされるリスクを恐れずに縦パスを入れるチャレンジも増えている。

間瀬監督は松本のプレーについて「自分たちが理想とするサッカーのつなぎができるGK」と評価をした上で、「自分がビルドアップに関わるべきなのか、あるいは関わらないほうがいいのか、その判断はまだまだ伸ばしてほしい。前々節のC大阪U-23戦は関わりすぎて、前節の北九州戦は関わらなさすぎた。そのバランスはこれから判断できていくと思う」とさらなるレベルアップを期待する。

長いトンネルを抜けた秋田は、その手応えを得て今節のホーム最終戦に臨む。間瀬監督は就任以来、「プレーしている選手も観ている人も喜びを感じられる攻撃的なサッカー」を掲げて取り組んできた。松本も「いまのサッカーは楽しい」と言い切る。みんなが喜びを感じるサッカーで、サポーターに10試合ぶりのホーム戦勝利を届ける。

文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第32節
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