【藤枝 vs 熊本】 ウォーミングアップコラム:タイから地元へ。36歳の屈強なセンターバック、秋本倫孝の存在感とは

2019年3月15日(金)


ホームで迎えた明治安田生命J3リーグ開幕戦では、福島を1-0で下して幸先の良いスタートを切った藤枝。第2節も2週連続のホームゲームとなり、J2から降格してきた強敵・熊本を迎える。ここで連勝できれば、チームにさらなる自信が芽生えて勢いづける可能性も高いので、昨季の16位からの浮上を目指す藤枝にとっては大きな意味のある戦いとなる。

そんな中で頼もしいのは、百戦錬磨のベテランたちの存在だ。今季の藤枝には、36歳の秋本倫孝(タイ・ホンダFC)、34歳の谷澤達也(相模原)、松岡亮輔(山形)、成岡翔(相模原)、31歳の森島康仁(栃木シティFC/関東1部)といったJ1での経験も豊富なベテラン選手が多く加わった。
開幕戦でも秋本、谷澤、松岡、森島の4人が先発出場し、序盤は福島にパスを回されてなかなかボールを奪えない時間帯もあった中で、前半途中のシステム変更にも柔軟に対応。その後は松岡のボール奪取力や谷澤のボールキープが冴え、3バックの中央に入った秋本もDFラインをしっかりと統率。後半にはロングスローからのワンチャンスを森島が勝負強く決めて先制点を奪い、終盤は秋本や松岡を中心に福島の猛攻を封じきった。
昨季は7月に石﨑信弘監督が就任してから完封勝利するまでに14試合を要したが、今季はいきなり初戦で1-0。ベテランたちのゲームコントロールによって、試合展開に応じた対応や接戦を勝ち切る“したたかさ”——すなわちこれまでの藤枝に足りなかったものが植え付けられ始めていることが実感できた。

中でもチーム最年長の秋本倫孝(写真)は、的確な周囲へのコーチングだけでなく、36歳とは思えない動きや1対1の強さを見せているのが頼もしいところ。
石﨑監督も「キャンプも休まずに全部やっていたし、全然ケガしないし、痛いとも言わない。まだまだ動けているし、たいしたもんだよ」と舌を巻く。チームの守備に関しては「個人的なイージーミスというのは去年より減ってきているし、危険なところを察知するという面もずいぶん良くなっている」(石﨑監督)という改善点が見られるが、その意味でも秋本の存在が非常に大きいことを認める。

秋本自身は、昨年まで3年半タイリーグでプレーしてきて、「もういいかなと思い始めて、あと何年プレーできるかわからないし、また日本でやりたいと思いました」と、生まれ育った静岡市の用宗地区にもっとも近いクラブ=藤枝MYFCの一員となった(JR用宗駅は練習場から最寄りの焼津の隣駅)。
「いろんな縁があってこのチームに練習参加させてもらって、地元も近いのでみんな応援してもらえるし、自分がまだやれている姿を見せたいという思いもありました」と藤枝を選んだ理由を語る。

高校は県内の名門・清水商業に進んで高校選手権でも活躍し、法政大を経て2005年に甲府に加入。1年目からチームのJ1昇格に貢献し、タフな守備で甲府を6年間支え続けた。その後は京都と富山でプレーし、2015年にタイに渡って頼もしい助っ人としてチームを支えてきた。
開幕戦は初めてのJ3の試合だったが、「タイだと個人で何とかするという部分が多かったですが、日本だとチームとしてのコンセプトを選手が忠実に守りながら戦うので、やりやすさがありました。まだまだ全然やれるチームだし、クオリティ的ももっと上げられると思いますが、みんなでカバーし合って守備ができて、勝てたことは良かったです」と手応えを口にする。

一見コワモテだが、「まあ勝てりゃ何でもいいですけどね(笑)」と飾らない人柄の秋本。とくに内に秘めた勝利への執着心は強烈なものがある。
今節に向けては「熊本は去年J2にいたチームで、今の僕らがどのぐらい通用するのかを確認する意味でも、今このタイミングで当たるにはすごく良い相手なので、一所懸命頑張りたいです」と語る。
大きなことは言わないが、いざ試合が始まっていれば誰よりも「絶対勝つ!」というオーラを放ち続けるだろう。もしも味方の選手に熊本をリスペクトしすぎているような面が見られたら、叱り飛ばしてチームを鼓舞していくはずだ。

そんな頼もしい兄貴が加わった藤枝。今節も昨年とは一味違う勝負強さを見せてくれるのか。ぜひスタジアムに足を運んで見届けてほしい。

文:井上慎也(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第2節
3月16日(土)13:00KO 藤枝サ
藤枝MYFC vs ロアッソ熊本
藤枝総合運動公園サッカー場(藤枝MYFC)
みんなの総合評価 (4.0)
臨場感 (4.1)
アクセス (3.2)
イベント充実 (2.5)
グルメ (3.5)
アウェイお楽しみ (3.0)

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