【横浜FC vs 新潟】 ウォーミングアップコラム:磐田から新天地へ、30歳のチャレンジ。イバ、レアンドロ ドミンゲスとアタッキング・トリオを結成した松浦拓弥

2019年3月15日(金)


前節、アウェイ栃木戦で今季初勝利を挙げた横浜FC。その勝利に、71分までの出場ながら貢献したのが、移籍後初出場となった松浦拓弥(写真)だった。1トップのイバを頂点に、レアンドロ ドミンゲスとともに2シャドーを形成。「イバとレアンドロと、良い距離感でプレーすることを意識した」という松浦は、そのファーストタッチで前線のイバにワンタッチでパスを送り、スペースでリターンを受け、再びイバへとゴール前に迫るチャンスを演出。栃木GKユ ヒョンの度重なるファインセーブによって彼のプレーした時間ではゴールに絡めなかったものの、タヴァレス監督も「攻撃に移った際に、特に松浦がよく前で動いてチャンスを作ってくれた」と賛辞を送るプレーで、今季の横浜FCにとって重要な戦力となることを強烈に印象づけた。

浜名高校から2007年にジュビロ磐田でプロ入り。2011年に福岡に期限付き移籍はしているがジュビロ一筋のイメージは強く、昨季も磐田で31試合に出場して3ゴールを挙げている。それだけに横浜FCへの完全移籍は驚きをもって迎えられた。自ら「ものすごくシャイ」という男はその理由を、「30歳だし、区切りだと思って、新たにチャレンジしたかった。まあ、タイミングですかね」と多くは語らないが、「イバとレアンドロがいて、J1に近いチーム。何より今年J1に上がってジュビロと戦いたいし、チャレンジして良かったと思えるシーズンにしたい」と覚悟をうかがわせた。

一方、横浜FCとすればこれは願ってもない補強だった。昨季、勝点1差で優勝を、得失点差で自動昇格を逃した横浜FC。オフの選手流出はレギュラークラスでは野村直輝(徳島)と永田拓也(東京V)の2人に抑えられたが、とりわけ5バックと3ボランチで守りを固めて前線のイバとレアンドロに託す昨季の基本戦術の中で、3ボランチの一角として守備では中盤で攻撃の芽をつぶし、攻撃では全力で駆け上がってイバとレアンドロをサポートした野村の流出は痛かった。松浦はその野村に代わる存在として期待され、背番号も7番を与えられた。

しかし攻撃だけを見れば松浦の能力は野村を大きく上回るが、本人が「僕は守備の選手ではないので」と語るように、3ボランチの一角で守備に奔走する役割は期待できない。むしろ最適なポジションはレアンドロの位置だろう。強力な武器あることは間違いないが、昨季までのシステムに組み込むのは難しかった。開幕戦はベンチ外だったが、「監督に『こいつを使いたいから』と考えを変えてもらうような、それくらいの価値のある選手にならなきゃいけない。今回の移籍がこういう形でのスタートになったけど、この状況でもプラスにしていければより自分も成長できるし、チャレンジとして良いことかなと思う」と、前向きに語っていた。

そして前節、練習からアピールしてきた本人のプレーと、開幕から連敗してどうしても勝点3が必要なチーム状況が、タヴァレス監督をしてシステム変更へ舵を切らせた。ボランチを1枚削り、1トップ2シャドーの3-4-2-1へ。試合終了直前に決勝点を奪った1−0の辛勝だが、栃木に公式記録で17本(すぐにブロックされたもの、大きく枠を外したものなどを含めれば27本ともいわれる)のシュートを浴びせ、「守備も攻撃もすごくバランス良く戦うことができた」とタヴァレス監督も手応えを得ている。おそらく次の新潟戦も同じシステムで戦うことになるだろう。

それにしてもイバ、レアンドロ、松浦のトライアングルはJ2リーグで一番の脅威と言っても過言ではないのではないか。松浦は「英語もポルトガル語も分からんので、雰囲気ですね」と笑いつつ、「イバはボールが入ったら近くに来てほしいようなんでサポートして、レアンドロは何でもできちゃうので、近くに寄るとき、裏に抜けるときと、コンビネーションを高めていければ」と語る。やはり一流プレーヤー同士、相通じるものがあるようだ。「これからどんどん、良い攻撃ができてくると思う」と頼もしい。

ここはひとつ、往年のバルセロナの“MSN”(メッシ、スアレス、ネイマール)や今季の神戸の“VIP”(ビジャ、イニエスタ、ポドルスキー)のように頭文字3文字トリオを名付けたいところだが、IBBAとLeandro DominguesとMatsuura Takuyaでなかなか良い組み合わせが思いつかない……。そう悩みを打ち明けると、「まあそれは、3人で20点くらい取れるようになってきたら何か呼んでもらえれば(笑)」と笑い飛ばして、「破壊力あるなと思われるように頑張ります!」と、移籍後初めてホームで迎える新潟戦へと集中を高めていた。

文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J2リーグ 第4節
3月16日(土)14:00KO ニッパツ
横浜FC vs アルビレックス新潟
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
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