【名古屋 vs 磐田】 ウォーミングアップコラム:名古屋のリードオフマン、和泉竜司。背番号29のプレーには、キックオフからご注目を

2019年4月19日(金)


名古屋の立ち上がりと言えば和泉竜司(写真)がお決まりになってきた。何のことかと言えば、明治安田J1第2節からスタメンを不動のものにした背番号29は、以降の6試合すべてでチームのファーストシュートに関わっているのである。しかも直近の2試合でファーストシュートも和泉が放っており、いずれも決定機だから注目しておいて損はない。吉田豊との左サイドの連係は今やチーム屈指のチャンスメイク力を誇っており、名古屋の試合の観戦ポイントとして「和泉を追えば間違いない」と声を大にして言いたいほどである。

好調の要因は“整理整頓”にある。片付いて使いやすくなったのは自宅の部屋でもロッカールームでもなく、頭の中だ。「守備については特にそうですね。守備のことで頭を使って体力を持って行かれることがないので、その分だけ攻撃に落ち着いて力を使えている」と和泉は充実感を語る。彼のパフォーマンスについては2節のスタメン起用後に風間八宏監督が「このままコンスタントに続けてくれれば大きな力になる」と予言していたが、指揮官の慧眼は見事的中したわけだ。

昨季まではサイドバックやボランチを務めることが多く、時に3バックまでこなすポリバレントぶりでチームに貢献する選手だったが、今季は左サイドハーフが基本ポジション。スクランブル時にはサイドバックを任せてチームをより前へ押し出す役割を担うというのが彼の使い方になってきた。「今までいろいろなポジションをやってきたけど、無駄だとは思っていませんし、守備的なポジションでの経験は前線でも生きています」。ポジションはあってないようなものとするチームの戦い方の中でも、複数ポジションをこなしてきた和泉のよどみない動きは不可欠の要素となってきている。あとは“決定機遭遇率”の高さをスコアにつなげていきたいところだが、和泉とれそれはもちろん自覚するところだ。

「今は試合の入り方も含めて良い感じですし、自分に最初のチャンスが来ることも多い。僕はそこを決めるか決めないかが課題です。決定力についてはまずはリラックスして、しっかりボールを止めて狙ったところに蹴られるようにですね。自分のチャンスは自分の動き出しによって生まれている感じはありますが、決めなきゃと焦っている部分も少なからずあるので。それもすべてはファーストタッチやその前のドリブルで運ぶ位置でほとんど決まることなので、自分はそこをしっかり意識しておきたいです。シュートが外れても次は決めるという気持ちでやっていますし、そこに一喜一憂はしませんが、決めないといけないシュートに対して、もっと集中しなければいけないということもわかっています」

大学時代は世代屈指の点取り屋だったが、プロに入ってからはJ1通算でまだ4得点。J2時代には守備的なポジションが続く中でシュートの打ち方すら忘れかけたこともあった。だが、下積みをしっかりとプロとしての自分の血肉に変えてきた男はいま、開眼の時を迎えようとしている。その成長ぶりには風間監督も「ここ2年間でいろんなものが見えてきて、どこでやっても彼は彼のプレーができるようになった。一番大きいのは彼が余裕をもって相手を見ていること」と称賛を惜しまない。パスワークにせよ切り替えの速い守備にせよ、とかくスピード感が上がり続けるチームの戦い方の中で、「余裕をもって相手を見ている」和泉のプレーは格段に速く、力強い。次はそのパワーを得点力へと向ける段階だが、そこまでできればもはや彼は化け物である。しかし、その素質は十分すぎるほど備わっている。それは、今の和泉を試合の中で定点観測してもらえば、わかってもらえると思う。

今節の磐田戦では名古屋時代に慕っていた先輩である田口泰士との対戦も彼は楽しみにしている。昨季の序盤、和泉が体調不良で欠場して負けた試合の後に「お前がいないから負けた」という連絡が入り、「嬉しいこと言ってくれました」と笑顔を浮かべていた。田口だけでなく、磐田には山田大記や小川大貴ら明治大学の先輩もおり、さらに彼は大学1年の時から練習参加もしていたから馴染み深い対戦相手でもある。「だからこそしっかり勝ちきりたい。昨年のアウェイのようにたくさん点を取って勝てればベストですね」。昨季アウェイ戦のスコアは6-1である。面白いように点が入った試合の再現は困難でもあるが不可能ではない。まずは勝利が最優先でもあり、和泉はそのために何が必要かをしっかり自覚しているから頼もしい。

「相手も必死に戦うでしょうし、そんなうまくいくことはないでしょうから、まずは自分が最初のチャンスを決められるように頑張ります(笑)」

もう一度言う。名古屋の立ち上がりは和泉である。今度はそこで得点も生まれるかどうかにも、注目してほしい。

文:今井雄一朗(名古屋担当)


明治安田生命J1リーグ 第8節
4月20日(土)14:00KO 豊田ス
名古屋グランパス vs ジュビロ磐田
豊田スタジアム(名古屋グランパス)
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