【G大阪 vs 大分】 ウォーミングアップコラム:プロ22年目の遠藤保仁の美学。仲間を信じ、自分たちのサッカーを信じる。

2019年4月19日(金)


遠藤保仁(写真)らしいプレーで、スタジアムを沸かせたのが3月30日にホームで戦ったヴィッセル神戸戦だ。

2-2で迎えた72分。FWファン ウィジョのシュートを相手GKが弾いたこぼれ球。遠藤は、ペナルティエリア右でボールを拾うと、シュートを打つ選択も匂わせながら相手ディフェンダーをあざわらうかのように、中央にいたフリーのMF倉田秋にパスを出す。これを倉田が冷静にゴールに流し込み、逆転に成功した。結果的にこのあと2点を返され試合には敗れたが、常日頃からチームの勝利を第一に考える『らしさ』が光った瞬間だった。

「僕自身はそんなに難しいプレーをしたとは思っていない。秋がフリーになっているのが見えたから蹴る瞬間に『自分でシュートを狙う』『パスを出す』という選択肢の中から1つを選んだだけ。結果的に後者を選んだのは成功の確率を考えました。自分でシュートを打っても決まっていたかも知れないけど、あのシーンではパスを出す方がチームとして欲しかった『ゴール』を取れる確率がより高かった」

 そのシーンを作り出せた理由として「僕が中盤の選手だからかな」と笑う。仮に自分がFWなら「俺が決めてやる!」という意識の強さからシュートを放ったかもしれないが、若い頃から『ボランチ』を主戦場にしてきた遠藤にはそうした欲は一切なかったそうだ。さらに言うなれば、続けて聞かれた言葉に、彼の美学が溢れていた。

「神戸戦で僕の『パス』が目を惹いたのは、ウィジョが放ったシュートがあり、そこまで仲間が繋いでくれたパスがあり、決めてくれた秋のゴールがあったから。仮に決まっていなかったら、特に注目もされずに流されたシーンだと思うよ。ただ…あれを僕じゃなくてイニエスタ(ヴィッセル神戸)が出していたらもっと絶賛されたかもしれないけど(笑)」

そんな風に、常にチームの勝利を第一に考える遠藤が、3連敗という状況を打ち破るために必要だと言い切るのが「自信を持って臨むこと」だ。勝てていない状況は得てしてプレーを縮こまらせ、判断に迷いを生じさせる。だが、やっているサッカーは悪くないと考えればこそ、彼は胸を張って戦いに挑む。

「サンフレッチェ広島戦以外は、やっているサッカーは悪くないと思う。だからこそ連敗しているからといって弱気になるのは良くないし、積極的なプレー、判断が減っていくのはチームとしてもったいない。サッカーではミスは起きるもの。ミスを恐れずに、チームとして積極的なプレーを続けるべきだと思う。相手がどこであれ、相手よりパフォーマンスで上回れれば、勝てるのがサッカー。自分たちのサッカーをしたい」

98年にプロのキャリアをスタートして22シーズン目。変わらないマインドでサッカーと向き合い続ける彼の言葉が、きっとチームの連敗脱出のカギになる。

文:高村美砂(G大阪担当)


明治安田生命J1リーグ 第8節
4月20日(土)16:00KO パナスタ
ガンバ大阪 vs 大分トリニータ
パナソニック スタジアム 吹田(ガンバ大阪)
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