【町田 vs 栃木】 ウォーミングアップコラム:井上裕大主将に聞くセカンドボール確保とリスク管理の気配り

2019年6月1日(土)


FC町田ゼルビアは前節・FC岐阜戦で6試合ぶりの勝利を挙げ、12位に浮上した。岐阜戦のヒーローは間違いなくボランチのロメロ フランク。先制点につながるPK獲得と、前半アディショナルタイムの2点目は彼だった。

しかしその活躍にはある男の気配りが関係していた。今回は攻撃的なロメロとダブルボランチを組んでいる井上裕大(写真)の働きに触れてみる。

町田のキャプテンでもある井上は、5月30日に30歳の誕生日を迎えたばかり。栃木戦は「三十路」で迎える初のゲームになる。

彼の分類、説明は意外と難しい。年齢的にベテランでも若手でもない。プレーは攻撃的でも守備的でもない。170センチ・65キロの体格はプロとして小柄で、特に「上手い」「速い」というタイプでもない。

ただし彼は「気配り」のスキルが高く、チームの足りないところを補える。どんな選手とも合わせて、相手の強みを引き出せるタイプだ。今の町田なら「ロメロたちに攻めさせつつ、バランスをとる」ことが彼の主な役目。決して「後ろに残って休んでいる」わけではない。

井上に「バランスをどう取っているか」を聞くと、まずこんな答えが帰ってきた。「攻撃に関しては、一つ前が詰まったときの逃げ道を作ることです」

“逃げ道”には複数の意味合いがある。パスコースの確保はもちろんだが、味方が奪われたあとのリスク管理も必要だ。

井上はこう続ける。
「奪われた瞬間は前の選手が(ファーストディフェンスに)行ってほしいですけど、奪われてから1個2個とつながれる場合がある。相手が大きく蹴ってきたら戻るしかないですけど、(細かくつないできたら)1個目2個目のパスに自分が行けるイメージを持っている。あと“ガチャガチャ”となったときに行ける距離も意識しながらプレーしています」

相手のポジションに合わせた調整も大切だ。
「相手が1トップなのか2トップなのか、1トップ1シャドーなのかで違います。レアンドロ ドミンゲス(横浜FC)とやったときは彼がトップ下にいるから、自分のすぐ後ろに(レアンドロ ドミンゲスを)置く感じにしました。前は僕が掃除するけど、後ろに入ったらCBに頼んだという狙いです。相手の立ち位置でもポジションが変わってきます。場所さえ把握しておけば、ボールがもし入ったとしても(相手への)パスコースを切れる」

町田の戦術は「セカンドボールを支配できるか」「前向きにボールを刈れるか」に成否がかかっている。井上はそのキーマンと言っていい。

味方のチャレンジが成功するか、失敗するか? 奪った相手がつなぐか、蹴るか? 相手がどこにいて、キープレイヤーが誰か?

そんな「複雑系」の判断を瞬時に下し、実行するーー。井上は的確な気配りで、そんな難作業を淡々とこなしている。

文:大島和人(町田担当)


明治安田生命J2リーグ 第16節
6月2日(日)16:00KO 町田
FC町田ゼルビア vs 栃木SC
町田GIONスタジアム(FC町田ゼルビア)
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