【千葉 vs 長崎】 ウォーミングアップコラム:左ウイングバックで武器のドリブル突破と磨いた守備力を披露する為田大貴

2019年6月1日(土)


前節(第15節・東京V戦)での船山貴之の先制点は、クレーベのヘディングシュートがゴールポストに当たったあとのこぼれ球に彼が素早く反応し、誰よりも先にボールを蹴りこんで生まれた。そして、クレーベの決定的なヘディングシュートをお膳立てしたのは、左ウイングバックの為田大貴(写真)のクロスボールだった。5月30日の練習後、改めて得点シーンにつながったクロスボールは狙いどおりだったのか聞くと、為田はこう答えた。
「常にクレーベの高さというのは意識していきたいと思いますし、ああやって何本もクロスボールを上げて1点入れば、それは結果的によかったと思います。これからもそういう高さのところは生かしたいと思いますし、クレーベの特長というのはチームとして生かしたいと思います。(昨季まで2シーズン在籍した、クレーベと同じく長身FWの)ラリベイの特長をみんな生かせられたので、クレーベの特長も生かしながら。今は得点も増えているし、チームとしてもフィットしているのでいいと思います」

その東京V戦で、為田は何度も左サイドを突破し、チャンスメークをしていた。67分には船山とのワンツーパスで左サイドの奥深くまで侵入すると、グラウンダー気味のパスをフリーになっていた矢田旭に出した。矢田のシュートはゴールマウスの枠に直撃して外れ、ノーゴールとなったものの、決定的な場面を演出。為田は突破を図りながらもゴール前の味方の選手と相手の選手の位置関係を含めた状況をしっかりと把握し、ノーマークとなって空いていた矢田にパスを出したように見えた。
「クレーベが(ペナルティエリアの)中にいるぶん、(相手の)ディフェンスラインが下がって中をしっかりケアしてくるので。それこそラリベイがいた時もマイナスのところは自分的にけっこう狙っていましたし、そのマイナスのところも狙いつつ、中のほうもっていうところはありますね」
冷静に状況判断をしながら正確なクロスボールを入れているあたり、今の為田は非常に落ち着いているし、ある意味、余裕を持ててプレーしているように感じられる。
「攻撃回数が増えてきているのは確かだと思うし、やっぱり(2シャドーの)タカさん(船山貴之)のところとホリくん(堀米勇輝)のところでうまく起点になれているので、(プレーに)余裕を持てる時間が長いというか、フリーの状態で(パスを)もらえる機会が増えてきているというのが、そういう要因にはなっているのかなと思います」

出場機会を求めて2017年シーズンの6月に福岡から千葉に期限付き移籍をした為田は、試合勘を取り戻すとともに武器のドリブルでの仕掛けを含めた攻撃力を披露。試合に出られる喜びを再び味わいながら活躍し、千葉のJ1昇格プレーオフ進出に貢献した。2018年シーズンは千葉に完全移籍したが、為田の仕掛けに対して相手チームが2人で挟み込むなどの対策を講じたり、負傷箇所を抱えていた時期もあったりという個人的な問題に加え、チームの戦いぶりに安定感がないという状況もあって思うように活躍できなかった。
「チームの結果と個人の結果がそのままだったかなとは思います。自分のコンディションの問題ももちろんありましたし、自分の能力の低さというのも今年は感じるところもあったので。でも、自分のいい部分を見てくれているスタッフもいるので、また一からやっていければと思います」
2018年J2リーグ最終節の試合後にそう話した為田は、ある意味、心機一転で今季を迎えた。その為田にとって大きかったのは、フアン エスナイデル前監督の解任を受けてコーチから昇格する形で第5節から指揮を執った江尻篤彦監督の采配だ。江尻監督はまず着手した守備の改善にある程度の手応えを得ると、得点力を高めるためにウイングバックに攻撃的な選手の起用を考え、第10節から為田を左ウイングバックのスタメンにした。その起用に、為田は持ち前の攻撃面だけでなく、上下動の豊富な運動量や球際での体を張ったプレーなど守備面でも応えた。5月22日の練習後にはこんなふうに話している。
「大分で(監督が)田坂(和昭さん)の時もウイングバックをやっていたので、自分の中ではシャドーよりもウイングバックのほうが生きるなとは思っていました。(サイドに)開いた状態で何回も、何回も仕掛けることはできるかなと思っていましたし、運動量の部分でも自分の中ではある程度やれるのかなという感覚はあったので。そこにうまく起用してもらえたと思っていますし、自分の中でもタイミングよく(前に)出て行ったりするというシーンも増えているので、そこは今後も引き続き自分のよさというか、自分にしかできないことをやっていければなと思います」

対戦相手の長崎は3連勝中と好調だ。為田も相手を警戒しつつやるべきことを考えている。
「自分たちが受け身になった時に崩れないように、受け身になっている時間帯に常に(自分たちの)カウンター攻撃のことを考えられるような余裕を持って守備ができれば、まったく問題ないと思います。もちろんどういう試合でも相手に(ボールを)持たれる時間帯はあると思うので、そういう時間帯の時に自分たちがどれだけ粘り強く戦えるかというところが大事です。2点目を取れないとやっぱり苦しくなる時はあると思うので、僕自身もそうですし、チームとして2点目を取りに行くというのも大事です。そして、まずはしっかり無失点で試合を終えるというところを意識してやっていきたいと思います」
独特の緩急のリズムを持つステップワークで突破を図り、クロスボールやシュートに持ちこむ。為田のそんなプレーが多く見られれば、千葉はゴールを奪って勝てるはずだ。

文:赤沼圭子(千葉担当)


明治安田生命J2リーグ 第16節
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