【福岡 vs 柏】 ウォーミングアップコラム:レベスタ初先発なるか。次代を担うボランチ・喜田陽。
2019年6月15日(土)

「世界の同じ世代の選手を見て、上手い選手、強い選手、素晴らしい選手がいるなと感じた。もっと練習から一つのことにこだわっていかないといけない。球際のところだったり、ボールを扱う技術面、特に攻撃の面でもっと高めないといけないと感じている」
U-20W杯を終えて帰国した喜田陽(写真)は、大会を振り返ってそのように話す。残念ながら試合出場は叶わなかったが、世界の舞台で過ごした1か月弱の期間は、喜田にとって有意義な日々になったようだ。
そして、日々の練習の入り方、練習に向けての準備という部分での意識が高まったと話す喜田は、帰国以降、雁の巣球技場で猛烈にアピールする日々が続いている。第18節・柏戦は田邉草民が出場停止。同じボランチのポジションでプレーする喜田にとっては先発出場のチャンス。しかも、中盤の守備が安定せず、守備の再構築が求められているチーム事情を考えれば、プレー次第では代役から主役へステップアップする可能性もある。久藤清一監督からも「しっかりとポジション争いをしてほしい」と声をかけられた。
今シーズンのリーグ戦出場は3試合で71分にとどまっているが、その才能は早くから注目されている。U-15日本代表に選出されたのを皮切りに、各年代別代表選手として活躍を続け、C大阪U-18所属時の2017年にはトップチームに2種登録。昨年の8月には18歳ながらプロ契約を締結した。昨シーズンはJ3で26試合に出場したが、さらなるレベルアップを目指して、今シーズンから期限付き移籍でアビスパ福岡に加入し、日々、自分を磨いている。
「特長はセカンドボールや、ボールを失った後のこぼれ球を回収するところ」と話すように持ち味は守備面。激しく動きまわるというよりも、巧みなポジショニングで危険なスペースを確実に消す。加えて、対峙する相手との間合い、ステイするときとボールを奪いに行く時のタイミングの良さ、ここぞというところで確実に奪い切る力等々、ボランチとしての能力は高い。
柏戦に向けて行われた13日の紅白戦では、ウォン ドゥジェとともにレギュラー組のボランチとしてプレー。自らの特長を余すことなく発揮するとともに、積極的にボールを引き出し、前後左右にボールを捌いた。柏戦に向けて、久藤監督は求めるボランチ像を「つなぎの部分はもちろん、ディフェンスのサポートであったり、ボールを引き出すこと」と話すが、その力があることを存分にアピールした。
出場すればレベルファイブスタジアムでは初めてプレーすることになる。
「ホームにはたくさんの人たちが見に来てくれると思う。その前で勝利を掴んで、喜びをみんなで分かち合いたい」
若い力がアビスパに流れを引き寄せるか。喜田陽のプレーに注目したい。
文:中倉一志(福岡担当)
明治安田生命J2リーグ 第18節
6月16日(日)18:00KO レベスタ
アビスパ福岡 vs 柏レイソル
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