【仙台 vs 鹿島】 “仙台のシュミット ダニエル”として、思い出の場所でもう一仕事

2019年7月12日(金)


仙台のゴールを守るシュミット ダニエル(写真)は、27歳。アメリカ合衆国生まれで、2歳から杜の都で育ってきた。サッカーと給食の揚げパンを愛した小学生の頃に、地元のベガルタ仙台を応援に仙台スタジアム(現ユアテックスタジアム仙台)へ通った。6年生のときには当時の仙台ホームゲームで前座試合だったベガルタカップという大会に出場し、初めてこのスタジアムの芝を踏んだ。

当時はボランチだったというが、中学生時代でGKに転向。後に東北学院高校では正GKとして、高校選手権の宮城県予選であのスタジアムのピッチに戻ってきた。この頃には憧れてきた仙台の練習にも参加したが、大学進学を選択。「この進路を選んだ以上、プロになってこの舞台に戻ってくる」と決意し、中央大学卒業後の2014年に、晴れて仙台でJリーガーとなった。

ルーキーイヤーには、当時のヤマザキナビスコカップ(現JリーグYBCルヴァンカップ)で公式戦初出場。この時に一緒にデビューを飾った藤村慶太(現金沢)と、同年末から2015年初頭まで、スペインのラ・マンガクラブ ハイパフォーマンスセンターへ約一ヶ月留学した。現地で指導を受けたコーチからは「自信を持つことが大事だ。自分がナンバーワンだと思え」と声をかけられ、仙台に戻った。

このように、シュミットは一度離れてまたユアテックスタジアム仙台に戻ってきたときには、以前より大きくなって帰ってきた。熊本(2014年途中、2015年)や松本(2016年)に期限付き移籍したときも、試合経験を重ねて成長。そして仙台に戻った2017年にはカップ戦で経験を積んだ後、同年J1第7節に、このスタジアムでJ1リーグ戦デビューを果たした。

それから更に時が経ち、今やシュミットは、そのリーチの長いセービングでも左右両足からのパスでもチームを支える存在となった。日本代表にも呼ばれるようになり、そして、ベルギーのシントトロイデンから声がかかるようになった。チームが苦しい時期に届いたオファーだったため、悩んだ末の決断だったが「これがラストチャンスかもしれないと思った」と、新天地に向かうこととなった。

ベガルタ仙台のエンブレムが入った2019年モデルユニフォームを着てシュミットが戦うのは、今節が最後。試合当日の会場では、シュミットが「これまで本当に多くの方々に、お世話になってきた」という人たちの様々な思いが交差するだろう。しかし、まずは感傷に浸る前に“仙台のシュミット ダニエル”としての務めがある。前節の黒星によって連勝が4で止まったチームが、新たに勝点3を加えるという仕事が。対戦相手は、前述の2017年J1第7節に戦った相手である、鹿島。場所も同じ、ユアテックスタジアム仙台だ。あの時は1-4で大敗した相手に対し、シュミットは仲間とともに勝利によって成長を示そうとしている。

「今のところはまだ、特別な感情にはなっていません。いつも通り準備して、ホームで連勝している勢いを維持してホーム7連勝といきたい」。思い出の場所で、もう一仕事だ。

文:板垣晴朗(仙台担当)


明治安田生命J1リーグ 第19節
7月13日(土)19:00KO ユアスタ
ベガルタ仙台 vs 鹿島アントラーズ
ユアテックスタジアム仙台(ベガルタ仙台)
みんなの総合評価 (4.4)
臨場感 (4.6)
アクセス (4.7)
イベント充実 (3.7)
グルメ (3.7)
アウェイお楽しみ (3.6)

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