【秋田 vs 富山】ピッチの中央で攻守を支えるボランチ・垣根拓也。「球際でボールを奪って攻撃のスイッチを入れていきたい」

2019年8月10日(土)


垣根拓也(写真)が出場機会を得るようになったのは、第11節のアウェイ富山戦から。「僕のプレースタイルはチームが勝たないと評価されないので、いいプレーしようとかいいパスを出そうとかまったく考えず、チームが勝つことだけを考えていました」と話すように、[3-4-2-1]のダブルボランチの一角で2-1の勝利に貢献すると、それ以降は攻守のバランスを担うボランチとしてスタメンを勝ち取った。

垣根は自分の強みを「守備でボールを奪い切る球際の強さや危ないところを埋めること、インターセプトから攻撃に転じるスイッチの掛け方」だと捉えている。攻守の切り替えがチームの生命線となりうる現状で、ボールを奪う機会が多い選手から攻撃が始まるシーンが多くなるのは必然といえる。

「90分を通じて、相手のトラップミスやインターセプトを狙っています」と話す垣根。その強みが現れた場面をいくつか挙げてみたい。

第16節YS横浜戦の90分。2-0でリードしていた秋田が1点を返され、相手に勢いが出た場面。センターサークル付近で相手ボールを奪い、そのまま前線にドリブルを開始する。この試合ですでに警告を受けていたYS横浜のキャプテンが、激しいファウルで垣根を倒し2度目の警告で退場となる。これでYS横浜の勢いを削ぐことに成功した。

次に、第18節岩手戦。秋田が58分に同点に追いついた後の74分。中村亮太と前山恭平が前線で激しいプレスをかけると、岩手DFが出した縦パスを垣根が奪う。そのトラップは大きくなったが、垣根はさらに鋭いスプリントで詰めると、岩手DFに一歩競り勝ちファウルを受け、試合の流れを相手に渡さなかった。

そして前節の熊本戦の59分。秋田に訪れた最大の決定機の場面。藤沼拓夢のシュートが相手GKに阻まれると、熊本DFが深い位置でそのセカンドボールを拾った。そこに垣根が猛然と走り込み、相手のコントロールミスを誘って秋田のスローインにした。このプレーで垣根が熊本のカウンターを防ぎ、さらに秋田の連続攻撃につなげている。

守備に加えて、ビルドアップ時にも向上が見られる。秋田は第17節の鳥取戦以降、相手がボールを保持している際には[5-4-1]や[5-2-3]で守り、ボールを奪うと3人のCBがパスをつなぎつつ、垣根が攻守のバランスを取り、もう1人のボランチが敵陣に攻め上がる変則的な[3-4-3]になる場面が増えている。これはCBによるビルドアップの質の向上に加え、垣根のプレーが確実性を増してきたことも無関係ではないだろう。

垣根はそれを自覚した上で、自らの課題を「ピッチの前後左右からボールを引き出して相手の嫌なところにパスを出したり、ゴールに直結するパスを裏に出すこと」だとして、必死にトレーニングに取り組んでいる。

この取材の終盤、垣根が2015年に所属していた町田について聞いた。アウェイ大分での入れ替え戦で、垣根は途中交代で20分ほど出場し、昇格の瞬間にピッチに立っている。垣根は「あれは代えがたい経験。ほとんど試合に出られず苦しい思いでトレーニングをしてましたけど、あの一瞬の経験のために耐えられると思いました」と述懐する。そして「だからこそこの秋田で。みんなキャラクターもいいし、スタッフやフロント含めて素晴らしいチームなので、みんなでJ2に行きたい。それはみんな思ってるんですけど、もっと気持ちを強くもって。誰一人目標から逸れず後半戦を戦っていけば、自ずと最後はみんなで笑えると思うので頑張っていきたいです」と気持ちを込めた。

秋田は直近の6試合で3勝2分1敗という成績を残し、今節富山とのホーム戦を迎える。負けられない試合が続くなか、垣根がピッチの中央で構えてチームの攻守を支える。

文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第20節
8月11日(日)18:00KO ソユスタ
ブラウブリッツ秋田 vs カターレ富山
ソユースタジアム(ブラウブリッツ秋田)
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