【東京V vs 山形】浸透度深まる永井スタイルの中で、ひときわ輝きを放つレアンドロの圧倒的能力。

2019年8月17日(土)


“永井ヴェルディ”になり、5試合を終えた。立ち位置、ボールの運び方など戦術は細かく、さらにその1つ1つの質も非常に高いものを求められているため、最初の頃は選手達から「難しい」との声が多く聞かれた。だが、ここにきて「徐々に理解できてきた」との手応えを口にする選手が日増しに増えてきており、特に前節鹿児島戦では、結果こそドローだったものの、理想的な崩しからの得点が見られた。永井秀樹監督のサッカーは、着々と浸透している。

結果を求められつつ、同時に戦術理解を円滑に進めるためという意図から、初陣からすでに戦術を熟知している藤本寛也、森田晃樹、山本理仁など、就任前まで監督として指揮をとっていたユースチームの教え子たちを積極登用してきた。だが、それとは別で、指揮官が「僕のサッカーには絶対に必要」と惚れ込んでいるのがレアンドロ(写真)である。「メルセデスベンツでいったら、最高級のAMG」と、2016シーズンJ1得点王(ヴィッセル神戸在籍時)の格調高さを高級車に例えて表現する。

レアンドロ本人も、永井監督のサッカーを大歓迎。「ボールを大事にする。正しいポジションにそれぞれが立つことでたくさんボールを動かし、相手を動かす。そして、ゲームを自分たちが支配して進めていく。というのが永井さんのサッカー。僕自身、すごく好きなスタイルです」。5試合連続先発出場、2得点と、信頼と結果、どちらも得られているとあって、その表情は、2シーズン目を迎えた東京Vで見せる中で最も明るく充実しているように映る。

0(ゼロ)トップの前線3枚のうち、中央の“フリーマン”として起用されている。「僕の中で、フリーマンの基準は、ボールが止まるか、きちんと置けるかどうか」だと指揮官。サッカーの基本だが、実は最も難しいとされる“止める”技術こそ、最もゴールに近い位置に配されるゆえ、求められるのである。そのことを十分理解した上で、背番号10は自らの役割を次のように話す。「ボールを奪った時、まず最初に、攻撃の第一歩となりうる良いポジションに常に立ち続けなければならない。そして、良いカウンターを作り出す。それ以外でも、特にJ2はコンパクトにスペースを消してくるチームがいる中で、難しい真ん中のスペースをいつも探して、良いポジションを取って、常に前へのパスコースを作り続ける。それだけではなく、そこでボールを受けた時の置き所、コントロールの質によって、自分たちが前進して相手ペナルティエリア内に侵入していくための起点となることを意識しています」。

お世辞にも、守備力が高いとは決して言えないため、指導者によっては、構想外となるケースもあるだろう。だが、その点についても、ヴェルディのレジェンド指揮官は独自の持論を展開する。「ゴール前を固める、ボール保持率が50%を切るなど、守備の時間が長いサッカーをやるのであれば、守備力が高くなければ困る。でも、我々が目指すのは、7〜8割ボールを持つサッカー。そのためには、モンちゃん(レアンドロの愛称)の力はものすごく必要。戦術を考えるときのスタートが、「マイボール」なのか「相手ボール」なのかで、選ぶ選手は全然違うものです」。なんとも、“攻撃が最大の防御”とする永井監督らしい考えだと言えよう。

シーズン中の監督交代について、「前の監督の教えが残る中で、新しい監督のやり方を覚えなければいけない、非常に難しい状況」としながらも、「我々は正しい道を歩んでいる」と確信してやまないレアンドロ。「ここからもっと良くなるために、相手のペナルティエリア付近で、リスクを冒してでも侵入していく、背後を取りに行くなど、ゴールを目指すためのトライを、ミスを恐れずに勝負していくことが必要だと思う。日々、自信を持ってトレーニングを積み上げていけば、自然と自信は生まれてくると思う。もっともっと良くなっていけば、よりチャンスを作り、よりゴールに侵入していく、相手に恐れられる攻撃が作り上げられると思っています。サポーターには、楽しみにしていてほしい」。

技術、賢さ、天賦の才、全ての要素が高いレベルで求められる永井監督のサッカーの中でこそ、その実力はより一層輝きを増す。

文:上岡真里江(東京V担当)


明治安田生命J2リーグ 第28節
8月18日(日)19:00KO 味スタ
東京ヴェルディ vs モンテディオ山形
味の素スタジアム(東京ヴェルディ)
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