【名古屋 vs 川崎F】予測不可能な部分に楽しみを見出す男。逆転を諦めない名古屋にジョアン シミッチが追い風を吹かせる

2019年9月7日(土)


アウェイでの第1戦を0-2で落とした名古屋にとって、ホームでの第2戦に求められる“勝利条件”はなかなかに厳しいものとなった。残る90分間で勝ち抜けを決めるためには3点差以上の勝利が必要で、失点すればもちろん求められる得点数は4点、5点と増えていく。堅守も売りの川崎Fを相手に3得点するだけでも難しいのに、その上で強力な攻撃陣を完封しろというのだから、名古屋にとっては難易度は相当に高いミッションだ。しかしやるしかない。パロ瑞穂でその勝負に出られるということを一つの追い風にして、3-0で勝利した明治安田生命J1リーグ第22節の再現を狙うほかに、彼らが生き残る術はない。
 
「難しい試合になることだけは間違いない」と選手の誰もが言う。「『信じる』ということが重要だ」とジョーは諭し、「アドバンテージは1stレグで取られてしまったのだから、取り返すしかない」と中谷進之介は覚悟を決めていた。そこで一人、良い精神状態を保っていたのがジョアン シミッチである。「やはり0-2のビハインドでこの2戦目をスタートさせるということは、非常に難しいことになるのが当たり前」としながらも、「ただ…」と付け加える。
 
「ただ、サッカーの楽しいところは何が起こるかわからないということです。自分としては試合序盤の早い段階で得点ができれば、試合が変わる可能性が高まると思っている。とにかく集中を高めて、我々がリーグの開幕時のような戦い方を試合開始からすることができれば、2点差だって取り戻すことができると思っています」
 
これは決意表明でもあるのだろう。リーグ開幕時の戦い方とは、つまり強烈な攻撃力とプレッシングを前面に押し出したスタイルである。風間八宏監督がよく言う「敵陣でサッカーをする」という表現をそのまま具現化したような試合運びは、選手たちに相当の負荷を要求する。攻守の切り替えの速さ、という考え方を超えた「連続」という継ぎ目のなさをこのシーズン終盤に差し掛かろうという時期に、しかも連戦の中でやろうというのだから覚悟のほどがうかがい知れるというもの。シミッチは水曜日に行われた準々決勝第1戦を振り返っても、やはりそういった強度を高めていく必要性を口にしている。
 
「第1戦で我々が良い試合をしなかったことには間違いありません。チームの状態もリーグ、カップ通じて良いものではないことも事実です。それを理解した上では、自分たちはその倍、走ったり、その倍、頑張らないといけないということです。チームメイトのみんなもそういうところから第2戦へのトレーニングを始めていましたし、すべてのやらなければいけないことをピッチで表現して、この悪い状況を変えるしかないと思います」
 
シミッチもまた、ジョーと同じく自分たちを“信じる”ことから逆転の目を探ろうというのである。普段からフィジカルコンディションをベストに保つための継続したトレーニングを欠かさず、「あんなに勤勉なブラジル人は珍しい」と言われるシミッチは、その先頭に立って走る闘争心も体力も備えている。シーズン開幕当初はあまり行わなかったミドルシュートの練習も最近ではほぼ毎日欠かすことがなく、1点でも多く、なるべく早い段階で欲しい第2戦では飛び道具としての期待もかけられる。「もちろん、攻撃に対して刺激を入れないと3得点を入れることは難しい」と認識する中では、その空中戦の強さにも注目しておきたいところ。前に出るしかない名古屋の中枢を担う選手としても、背番号8の活躍は勝利の必要条件の一つとなってくる。

文:今井雄一朗(名古屋担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦
9月8日(日)18:00KO パロ瑞穂
名古屋グランパス vs 川崎フロンターレ
パロマ瑞穂スタジアム(名古屋グランパス)
みんなの総合評価 (3.7)
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