【横浜FC vs 金沢】ボランチとして新境地を開く田代真一。内に秘める情熱がチームを動かす

2019年10月14日(月)


明治安田生命J2リーグも残り7試合。横浜FCは前節、首位の柏に1-0で勝利し、J1自動昇格圏まで勝点2差につけている。第19節から続く無敗記録は17試合に伸びているが、その好調を支えているのがボランチとしてプレーする田代真一(写真)だ。本職はCBだが、第20節からボランチに入ると、累積警告で出場停止の1試合を除いてフル出場を続けている。

「もともとCBの割には技術があったし、ボランチのところで高さがあると有利」と、下平隆宏監督はコンバートの理由を語るが、横浜FMの下部組織で田代とともに育った武田英二郎は「小学校や中学校のときボランチをやってたから、俺は全然違和感ないですね」という。「身長は高い方で、昔から痩せてた。技術があって、どっちかというと守備かなっていう。そこは本当に変わらない」と武田は当時を振り返るが、今の彼には違うところが一つあるという。「まあ小中学生なので、プレーの強度とか重みが違うのもあるんですけど、今みたいに必死ではなかったですよ。ピッチ内での勝負への責任というか、今はそういうのがすごく出てますね」と。

前節の柏戦、前半28分のことだった。田代は相手選手と接触して転倒。その際に左肩を脱臼した。「すぐにハマったんで。試合中で興奮してたから痛くなかったし、交代枠を使ったらもったいないかなと思って」と、こともなげに言う。影響がないわけはないのだが、それを顔には出さず、首位の強力な攻撃陣を相手に中盤の底で体を張り続け、時には最終ラインのカバーに入り、最後までピッチに立って無失点勝利に貢献した。「内に秘めてるものをすごく感じる人」と、若い山本凌太郎はその姿に、「熱が出てても絶対に休まないし、それを隠しながら練習から100%やる。そういう姿勢をチームに伝えてるのかなと思う」と感じている。

もともと痩せているほうではあったが、最近は気のせいか、頬や首の辺りがさらにシャープになったような気がする。そう伝えたところ、「そう? ボランチはキツいから。走るからね」と笑い飛ばした。「体重は落ちてない」そうだから一安心だが、そう見えているのは彼の昇格への覚悟が滲んでいるからだろうか。「去年何が足りなかったのか。プレーオフで最後の運もそうだけど、その前に勝点1差、得失点差で2位に入れなかったのは、やっぱり細かいところの積み重ね。毎日のトレーニングが本当に大事だし、そこを大事にしなければ上には行けないのかなと思う」。その姿勢を指揮官も見ている。「練習は全然手を抜かずにギリギリまで。ゲームでもエンジンが切れるまでやってくれる。そういう選手はやっぱり伸びますね。どこかでセーブしている選手、8割9割でいつもやってる選手とは伸び率が違う」と、コンバートした選手の成長に眼を細める。

田代にボランチとしての理想像を聞いた。「チームの真ん中にいるわけだし、潰せて、ボールを配れて、どっしりしてる。そういうチームの落ち着きどころが理想」だという。今は、潰すところは◯、配球は△、どっしり感は▲といったところか。指揮官は「今は全体の視野の広さを身につけている最中。相手のスペースのどこが薄いのか、どこが弱いのか、見れるようになってくればより良くなると思う」と期待を寄せている。松井大輔や中村俊輔、齋藤功佑といった攻撃に特化したパートナーが力を発揮するためには、彼の力が欠かせない。ボランチ田代真一が彼の理想に近づくぶんだけ、横浜FCもJ1へと近づいていく。

文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J2リーグ 第36節
10月15日(火)19:00KO ニッパツ
横浜FC vs ツエーゲン金沢
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
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