【京都 vs 甲府】苦難の日々を乗り越えて、レナン モッタが中盤で魅せる!

2019年11月3日(日)


終盤戦、それも残り試合が数えるほどとなったゲームで、ようやく輝くことができた。今季、ブラジルから新戦力としてやってきたMFレナン モッタ。第37節・横浜FC戦でアンカーとして先発すると、中盤の底でボールをさばき、ときにはドリブルで相手の守備をゆさぶるなど、攻撃の組み立てに貢献した。後半69分には自陣からのカウンターで敵陣深くへ飛び出していき、宮吉拓実の追加点をアシスト。79分に交代するまで、久々の公式戦のピッチを謳歌した。

そう、本当に久しぶりのピッチだった。第36節終了時点での出場記録はわずか3試合。それも全てが交代出場で、プレー時間は30分だ。技術と攻撃センスは高いものを見せる一方、ブラジル時代には経験しなかった現在のチームスタイルに基づく戦術への適応や守備面では苦労していた。初めての海外生活ということも、少なからず負担になっていたのかもしれない。6月以降はリザーブに入ることすらなくなり、アピールの場は練習や練習試合だけという状況になってしまう。転機が訪れたのは、前述した横浜FC戦。その前の山口戦の試合内容がよくなく、さらに中盤に負傷者が重なったことでチャンスが回ってきた。そうした外的要素があっての先発起用だったのだが、同時にモッタが出場機会をつかむために必要なものを探り続けていたことも確かだ。中田一三監督は横浜FC戦後に「守備面がずいぶんとよくなった。人に対して強くいけるようになった。攻撃面では、テンポよくボールを動かせるのは彼の持ち味。何度か(相手の守備に)ひっかかることは修正点だけど、リズムを生んだことや前線への配給では持ち味を発揮してくれた」と評価している。モッタ自身も「ブラジルと日本のサッカーの違いはどこだと考えたとき、ボールを持っていない守備のところでした。相手をマークすることや、どのポジションをとってスペースを埋めるのかなど、いろんな人からアドバイスをもらいながら取り組んできました。時間がかかってしまったが、そこをやらないと日本では出場することはできないぞと常にフォーカスポイントとして日々の練習からやっていました」と振り返っている。

プロとして、どんな状況でも下を向かずに取り組み続けることは当然なのだが、やはり公式戦のピッチに立てない日々というのはつらい。助っ人として海外でプレーする外国籍選手なら、なおさらだ。「難しい日々でした。日本のサッカーに馴染むことや、言葉の問題もありました。最初はわからないことばかりでしたが、今は試合中に日本人選手と少しずつですがコミュニケーションを取れるようになってきました。それは自分にとって助けになっています」。さらに「いろいろ悩んだし、『ブラジルへ帰った方がいいのかな…』と考えたりもしました。でも、ここで我慢しなくちゃいけない。なんとか状況を変えて、日本でプレーを続けたい。家族も来日して、いろんな話もしながら、ここで結果を出すためにしっかりやっていこうと思いました」と苦難の日々を打ち明けている。それだけに横浜FC戦での活躍は自信になっただろうし「本当に幸せでした」という言葉にも感情がこもっていた。

一方で、横浜FC戦の後にはこんな話もしていた。「横浜FCはどちらかというと、守備を締める(守備陣形を構えて守る)チームだったので、比較的ボールを受けたときにターンして、前を向いてプレーすることができました。これがもっと前からプレッシャーにくる相手だったら、状況は変わってきます」と冷静に分析している。そして翌節の新潟戦では、前からプレッシャーをかけてきた相手に対して、京都はボールをなかなか前線へ運ぶことができず、敵地で痛い敗戦となってしまった。モッタ自身も新潟戦はアンカーではなくポジションを一つ上げて先発したが、攻撃のリズムを生み出すことができなかった。「新潟戦はよくなかったね。どうやってボールを(最終ラインから)持ち出すのか。持ち出したボールを中盤はどうプレーするのか。個人的にもパスや最終局面のプレーを、甲府戦へ合わせていかないといけない」と振り返っている。

横浜FC戦の快勝により膨らんだ自動昇格への希望は、新潟戦の敗戦により風前の灯となっている。それどころか、順位もプレーオフ圏外の7位(第38節終了時点)にまで下がってしまった。大混戦の昇格争いが繰り広げられているJ2も残り4試合。この時期はどうしても順位や勝点計算に意識が傾いてしまうが、すべては目の前の試合をいかに戦って、勝利をつかみとれるかどうかにかかっている。モッタも「自分がチャンスをつかんでチームが勝つのが一番だし、たくさんプレーできたらいいけれど、今はチームの勝利が何より大事です。これまで積み上げてきたものを継続して戦いたい」とスタメンやリザーブに関係なく、チーム一丸となって甲府戦に挑む重要性を口にしていた。甲府もプレーオフ圏内へ入るために、必死の戦いを挑んでくるはずだ。現在15試合負けなしというホームゲームで、サポーターからの力強い後押しを受けて、勝利という結果を得ることができるかどうか。崖っぷちの立たされた状況で、チームの真の力が問われる一戦となる。

文:雨堤俊祐(京都担当)


明治安田生命J2リーグ 第39節
11月4日(月)14:00KO たけびし
京都サンガF.C. vs ヴァンフォーレ甲府
たけびしスタジアム京都(京都サンガF.C.)
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