【長崎 vs 栃木】「課題は具体的に理解することしか解決はできない」髙田明社長ラストホームゲーム

2019年11月15日(金)


ジャパネットたかたの創業者である髙田明氏がV・ファーレン長崎の社長に就任したのは2017年4月25日。就任理由は至極明快だった。
「2017年に、V・ファーレン長崎をジャパネットでグループ化させていただきました。これは、当時3億円以上の累積赤字があり、このままではJリーグの中から消滅するクラブだったからです。ジャパネットホールディングスの社長で私の長男の旭人が、『子どもたちの夢、長崎県民の生きがい、ファンが十数年応援してきたクラブをなくすことは大変な損失』ということで、再建に立ち上がりました。そこで私が社長を承りました」

長崎にある唯一無二のクラブを存続はもちろん、世界に羽ばたくクラブに成長させる。これが髙田社長のミッションだった。
「就任当時、私も68歳でしたから、5、10年やるという意識はありませんでした。ただ一つ、私がやらないといけないことは、倒産寸前の会社をしっかり自立させること。何も分からない状態でサッカークラブの社長になりましたが、今でもサッカークラブは非常に厳しい業界だと思っています。プロ野球のように、年間140試合あるわけではなく、多くて年間ホームゲーム20数試合の中で、すべての経費を賄っていかない。その中で、どれだけ実績が出る会社にしていくか」

壮大なビジョンを持ち、ときには細かく、ときには大胆に判断を下していくのが髙田社長の経営法。社長就任当初は、まさに手探りの中で細かい作業が続いた。幾十にも絡まった糸を一つ一つほどくかのように。ただ、一つほどけば、一つ道筋ができた。やがて細かった道筋は太く頑丈になり、V・ファーレン長崎は快調に帆を進めるようになった。

2017年11月。髙田社長就任して7カ月後に、V・ファーレン長崎はJ1への切符をつかんだ。このときの髙田社長のスピーチが印象的だった。

「みなさん、夢はどんどん続きますよ!」

夢を追いかける土台なくして夢は持てない。クラブの安定運営、経営と髙田社長の前を向く、向かせる力から生まれた長崎の奇跡。髙田明なくして、V・ファーレン長崎はなかった。
その髙田社長が2020年1月1日付けで社長を退任する。

「社長に就任して2年半が過ぎましたが、なんとかやっていけるところまできたのではないかなという思いに至りました。あとは、細かい問題です。一つ一つ取り上げてみたら、あれもこれもとたくさん課題があることは事実。でも、課題は具体的に理解することしか解決はできない。経営者としてそう思います」

ホームゲーム、アウェイゲームに限らず、試合前にファンと会話をして、「今の思い」を肌で感じた。スポンサー探しに奔走し頭を下げ続けた。行政に理解を得ようと官公庁に通った。一人でも多くスタジアムに来てもらおうとカメラの前で訴え続けた。社長が第一線に立ち続けて行動することで、課題の解決方法をクラブに浸透させた。

「後進に任せても大丈夫」

この感触を得たから退任する。引き際の理由も至極明快だった。
明治安田生命J2リーグ第41節のV・ファーレン長崎対栃木SCは、チームにとっても髙田社長にとってもホーム最終戦。来年のホームゲーム初戦に髙田社長はいない。幾多の思いを馳せながら、スタジアムに集まるファン。

一つの終わりと一つの始まりを告げるキックオフのホイッスルは14時に響き渡る。

文:J's GOAL編集部


明治安田生命J2リーグ 第41節
11月16日(土)14:00KO トラスタ
V・ファーレン長崎 vs 栃木SC
トランスコスモススタジアム長崎(V・ファーレン長崎)
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