【沼津 vs 富山】「沼津=謙さん」。沼津の魂でもある吉田謙監督の最大の魅力とは?

2019年12月7日(土)


明治安田J3も1年の集大成となる最終節を今週末に迎えるが、沼津にとってこの最終節は、“特別な試合”となりそうだ。というのもクラブは、JFL時代から5年間に渡り、トップチームを率いてきた吉田謙監督(写真)が今季限りで退任することを発表した。J3参入以降は、17年が3位、18年も4位と2年連続でJ3優勝争いを演じるチームを作り上げてきたが、最終節を残して11勝6分16敗と今季は、12位に低迷し、苦しいシーズンを過ごしてきた。

富山との対戦を迎える最終節が現時点で、吉田監督にとって沼津を指揮するラストゲームとなる。16年に沼津に加入以降、4年間指導を受けてきた染矢 一樹も指揮官に特別な感情を抱いている一人で、「僕も1番しんどい時期に(吉田)謙さんに助けてもらった。(退任は、)本当に寂しいし、悔しいし、なんでかなと思うことも多い」と退任が決まったことへの複雑な心境を漏らす。それでも最終節は、「(吉田)謙さんの指導を受けて試合をするのは、今の段階ではラストになる。正直言って“沼津=謙さん”だったと思うし、その指導を受けた選手たちは、常に上手くなろうと思って仕事とサッカーを両立しながら励んできた。そういう意味では、(最終節は)ただの1試合ではない」。恩師への特別な思いを胸に、有終の美を勝利で飾ることが最高のはなむけになるはずだ。

ここまで選手から慕われる吉田監督の魅力はどこにあるのか。毎日のように練習場で指導を受ける沼津の選手はもちろん、ACNジュビロ沼津(現・アスルクラロ沼津U15)時代に指導を受けたジュビロ磐田に所属する小川 大貴や上原 力也も沼津の選手たちと同じように吉田監督の魅力をこう明かす。「(サッカーの)技術的なことよりも大切なもの。人間の本質的な部分を教えてくれる」(小川大貴)、「あの人がいたから今の自分がある。すごくお世話になった監督」(上原力也)とかつての恩師へ特別な感情を抱いている。時には、厳しい言葉をかけながらも常に愛情を持って選手たちとコミュニケーションを図り、また吉田監督の発言には、ブレない信念があり、どんな選手に対しても接し方は変わらない。「ブレないこと。誰に対してもリスペクトを持って接してくれる。人間としてという部分がすごく魅力的だと感じている」と指揮官の魅力を話す田中 直基も、「自分が得点を取れなくても使い続けてくれた。そういう意味でも感謝が大きい」と我慢して起用し続けてきたことへの感謝の意を示しており、直近2試合連続で得点中とシーズン終盤に本来の輝きを取り戻しつつある。

サッカーの世界でありがちなのは、技術のある一般的に言われる“うまい”選手が指導者から特別な扱いを受けて、それ以外の選手たちからの信頼を失うパターンというのはよくあることだ。ただ沼津の場合は違う。誰に対しても情熱的に、そして平等に向き合う吉田監督の“人間力”が、指導を受けた選手から絶大な信頼を寄せられる魅力になっている。多くの選手から愛され、静岡県東部地域、そして沼津のサッカー発展に尽力してきた吉田謙監督のラストゲーム。「最後も地域一体となって戦い抜きたい」と意気込む指揮官が5年間積み上げてきた集大成を思う存分に発揮して、歓喜で包まれるホーム最終戦のフィナーレに期待したい。

文:森亮太(沼津担当)


明治安田生命J3リーグ 第34節
12月8日(日)13:00KO 愛鷹
アスルクラロ沼津 vs カターレ富山
愛鷹広域公園多目的競技場(アスルクラロ沼津)
みんなの総合評価 (3.2)
臨場感 (3.4)
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イベント充実 (3.3)
グルメ (3.7)
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