【藤枝 vs 北九州】自身初のフルタイム出場が目前。35歳のMF松岡亮輔が最終節にかける想いとは。

2019年12月7日(土)


前節でYS横浜に敗れたことで初優勝という目標が消えてしまった藤枝MYFC。順位も3位に落ちたが、2位・群馬とは勝点60で並んでいるので、藤枝が勝って群馬が引き分け以下なら2位で今シーズンを終えることができる。
たとえ2位になってもJ2昇格はないが、昇格圏内で終わることは地元へのアピール度という面で非常に大きな価値がある。なぜなら「昇格圏内の結果を残したのに、J2ライセンスがないせいで上がれなかった」ということが地元メディアによって大々的に報道されるからだ。それによって今まで藤枝MYFCに関心がなかった人たちでも、クラブの現状を知り、応援したくなる可能性が大いにある。当然、「蹴球都市」と自称している藤枝市へのアピール度も断然違ってくる。

そのためにも、J3王者の北九州に勝ってシーズンを締めくくることは絶対に欠かせない。だから優勝が消えても選手たちのモチベーションはまったく落ちておらず、石﨑信弘監督も「良い方向性で最終節に向かえている」と練習での手応えを口にする。
そんな中、今季最後のコラムで熱烈プッシュしたいのは、筆者が個人的に選んだ今季のMVP=松岡亮輔(写真)だ。ここまでチームで唯一フルタイム出場を続けている選手で、3-5-1-1のシステムのアンカー(中盤の底)としてピンチの芽を摘みまくり、堅守の構築に絶大な貢献を果たしてきた。
前回(秋田戦)のコラムで話を聞いたセンターバックの秋本倫孝も、松岡のプレーについて次のように語る。

「まっちゃん(松岡)がDFラインの前で全部掃除してくれているし、相手FWにキープされたときでも、少しでも相手のコントロールをズラせば、そこをまっちゃんがかっさらってくれるので、本当に助かっています」(秋本)

今年で35歳になったが運動量が落ちることはなく、J1の選手と比べても屈指と言える予測力、危機察知能力、ボール奪取力などを生かして、ピンチになる手前で相手ボールを奪うことができる。藤枝は被シュート数がリーグで2番目に少なく(1位は富山)1試合平均で6.79本しか打たれていないが、その意味でも松岡の貢献度は大きい。
石﨑信弘監督も「いなくなっていちばん痛い選手の1人」と絶大な信頼を寄せている中で、ここまで1試合もケガ等で休むことなく、第7節(4/27)に3枚目のイエローカードを受けてからは1枚もカードを受けることなく献身的に高いパフォーマンスを続けてきた。今節でフル出場できれば、彼にとっても初めてのシーズンを通してのフルタイム出場を達成することになる。

「今まで全試合先発もないし、この年齢になってこういう経験ができるのは本当に嬉しいことです。だから、自分のサッカー人生の中でも価値ある1年にしたいという想いがどんどん強くなってきて、カードのこと、ケガしないこと、パフォーマンスを維持すること、毎日の過ごし方や体調管理などについても非常に気を使った1年でした。もしフルタイムを達成できたら、引退後に伝える側になったとしてもそういう経験をしているのは重みがあると思うので、すごく大きなことだと思います」(松岡)

そうした彼の姿は、本人のためだけでなく、チームの後輩たちに与えている好影響も非常に大きい。職人芸的な守備の技術やノウハウだけでなく、サッカーに対する姿勢という意味でも、松岡から学べることは本当に多かったはずだ。
それも含めて、クラブとして初めて優勝争いを経験した今シーズンは、チームが非常に大きく前に進めた1年だった。

「シーズン当初に社長や監督が目標は優勝だと言っていた頃は、選手含めてそれを本気に思っていた人がどれだけいたかわからないですが、僕自身は最初からそのつもりでした。そこから最後に全員が本気で優勝争いに向き合うことができたことは、良い経験になったと思いますし、来年は少し免疫がついた状態で臨めると思います」(松岡)

優勝の可能性を残すために非常に重要な一戦だった前節で、下位のYS横浜に0-3で敗れたことは、松岡自身にとっても大きな屈辱だった。

「C大阪23戦もそうですが、この時期にポロッと負けるのは北九州との差だと思うし、正直メチャクチャ悔しいですね。J2ライセンスがないとはいえ、最後にあんな2敗をするというのは、まだまだ王者の資格がないということなので、来年への糧にしないといけないと思っています」(松岡)

その意味でも、最後にJ3王者の北九州に勝つことは本当に大きな意味がある。自分たちの真の力を問われるという意味でも、「すごくやりがいがあって楽しみな試合」(松岡)となっている。
また、松岡と同学年の成岡翔と養父雄仁が今季限りでの引退を表明しており「彼らのためにも晴れ晴れとした気持ちで1年を締めくくりたい」と松岡は言う。そのうえで最後は次のようにコメントを締めくくってくれた。

「志太榛原地域(ホームタウン)の人たちに、藤枝MYFCというチームの存在をもっと知ってもらうためにも、1年間ずっと応援してきてくれたサポーターに感謝の気持ちを伝えるためにも、今年の集大成となるサッカーをして、必ず勝って終わりたいです」(松岡)

今季はホームで11勝3分2敗と無類の強さを見せている藤枝。その真価を発揮したとしても北九州に勝つことは簡単ではなく、非常に見ごたえのある試合になることは間違いない。地元・藤枝東高出身の名手、成岡翔の現役最後の姿を見るためにも、ぜひスタジアムに駆けつけて松岡をはじめとする藤枝の選手たちが今季をどう締めくくるかを見届けてほしい。

文:井上慎也(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第34節
12月8日(日)13:00KO 藤枝サ
藤枝MYFC vs ギラヴァンツ北九州
藤枝総合運動公園サッカー場(藤枝MYFC)
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