【藤枝 vs 岐阜】J通算150試合を達成した久富良輔。雑草魂で築き上げてきたもの、さらに目指すものとは

2020年8月1日(土)


ここまで2勝1分4敗(11位)と黒星が先行して苦しい戦いが続いている藤枝。今節の相手も無失点で3連勝中と好調な岐阜なので、難しい戦いにはなるだろう。
ただ、藤枝も昨年より戦力が充実しているのは間違いない。その象徴が、ここまで7得点を挙げている大石治寿で、彼はかつて藤枝でプレーして(2014〜15年)からJ2の山口など他チームで活躍し、今季から復帰してきた選手だ。
その復帰組が、今季はもう1人いる。右ウィングバックの久富良輔だ。

久富は、2018年から2年間プレーしたJ2の栃木で52試合に出場。今季を迎えるにあたって契約延長も示唆されたが、あえて恩のあるクラブをJ2に昇格させるために藤枝に戻る道を選んだ。
「前回藤枝にいたときの2年間(2016〜17年)は、環境的にも苦しかったですけど、応援してくれる人、助けてくれる人がたくさんいて、自分自身すごく成長させてもらって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。去年もよく(藤枝の)試合を観てましたけど、J2に行ける戦力だと思いましたし、このチームでJ2に昇格したいという気持ちがすごく強いです」(久富)

そんな久富が、前節・富山戦でJ通算150試合出場を達成した。群馬時代(2014〜15年)も合わせてJ2で84試合、J3で66試合(藤枝のみ)、彼らしく全力で走り続けてきた。
「年齢(29歳)からしたら多い数字じゃないと思いますけど、1年1年本当にギリギリのところでやってきたので、素直にうれしい気持ちがあります。それと、まだまだやらなくちゃいけないことがたくさんあるなという気持ちですね。J2で100試合に届いてないので、藤枝で昇格してそれを達成したいです」(久富)
神奈川県の出身だが、高校は静岡県沼津市の桐陽高校に進み、産業能率大学時代も無名の存在だったが、プロへの道をあきらめることなく2013年にザスパ草津チャレンジャーズ(当時は群馬県3部)に加入。そしてアマチュア契約のまま2014年に群馬のトップチームに昇格し、惜しみない努力で一歩一歩自分の道を切り拓いてきた。だからこそ、彼の150試合には大きな価値がある。

久富の武器は、まず試合終盤まで精力的にアップダウンできる運動量やスピード、そして守備での対人の強さがある。さらに2017年のJ3でもそうだったように、今季もクロス数ではJ3リーグのトップを争っている。
だが、それ以上に大きな彼の強みは、謙虚さと真面目さにあると筆者は感じている。
「サッカーをやれていることが当たり前じゃないということを忘れずにやっていくのを、自分の中で大事にしています。自分が『できる』と思ったら、それは勘違いだと思いますし、何歳になってもレベルアップしていけるようにしたいです」(久富)

そんな雑草魂を原動力にして毎年成長を続け、ここまでやってきた。過密日程の中でフルタイム出場を続けている今季も、チームと共にさらに成長したいと考えている。
「30歳近くなったからといって変に落ち着いてしまうことなく、ガツガツ積極的にやるという自分の持ち味は出し続けていきたいです。ただ、チームの流れが悪くなったときに、周りに声をかけて雰囲気を変えていくということは、もっとやっていかなければいけないと思っています。あとはクロスの精度ですね。本数は多いけど(クロスでの)アシストは0なので、そこはもっともっと練習しなくちゃいけないです」(久富)

チームの今の課題として、失点をすると精神的な落ち込みが表われ、その後も続けざまに失点してしまうことや、ゴール前で合わせる能力が高い選手が揃っているわりにはクロスからの得点が少ないことが挙げられる。
久富はそれらを改善するためにカギを握る存在でもある。もちろん居残りでのクロス練習も続けており、謙虚に地道に努力を続けるという部分は以前とまったく変わっていない。
チームとしても今は浮上のきっかけをつかむために辛抱強く戦っていくべき時期にあるが、久富のクロスからの得点が増えてくれば、それがきっかけになる可能性も大いにあるはずだ。


文:前島芳雄(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第8節
8月2日(日)17:00KO 藤枝サ
藤枝MYFC vs FC岐阜
藤枝総合運動公園サッカー場(藤枝MYFC)
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