【浦和 vs 大分】トーマス デン、あっという間に台頭した新DFリーダー

2020年8月28日(金)


またたく間に、主力の座に駆け上がっていった。浦和1年目のトーマス デンは、今では欠かすことのできない守備の中心選手である。

オフの補強が新潟から加入した目玉戦力のレオナルド、高卒の武田英寿(青森山田)、そして大分からレンタルバックの伊藤涼太郎の3人のみと、ややおとなしめで始動した浦和の今シーズン。デンが新たに加わったのは、沖縄キャンプを半分以上消化していた1月末のことだった。

その月に開催されていた『AFC U-23選手権』(タイ)にオーストラリア代表主将として出場していた時に急きょコンタクトを取り、電撃加入。突貫工事感の否めない動きではあったが、結果的には大成功と言える補強となった。

開幕直後はチーム合流から間もないこともあり、ベンチにも入らなかった。そして、まもなく新型コロナウイルスの感染拡大によるリーグ中断を迎えることになったが、再開に向けて6月13日に組まれた町田とのトレーニングマッチがデンの転機となった。

その試合で浦和は町田のやりたいサッカーに対して後手を踏み、いいところがほとんどない内容だったが、数少ない光明だったのがデンだ。最終ラインで圧倒的な存在感を放ち、そこで指揮官の評価も勝ち取って、再開初戦の横浜FM戦でいきなりスタメンに抜擢されるに至った。

スピード、反応、ジャンプ力といった恵まれた身体能力をベースとした対人守備の強さがまず目を引くが、決してフィジカルだけに頼っていない。危険なシーンを予測した的確なポジショニングや、味方の立ち位置を含めた状況判断、DFラインの調整を細かく行うなどインテリジェンスも非常に高く、個人でも組織でも高い質を示すディフェンスリーダーとしてあっという間に台頭した。

守備だけの人ではない。足元の技術も確かなデンは、ボールを持って積極的に前に上がっていくプレーも得意としている。ボールを持ち運んで相手前線のプレッシャーラインを突破することで、敵に何らかの対処を迫り、チームの次の攻撃の一手を有利なものにできる。キックの精度も高く、ミドル・ロングレンジのパスをきっちりと通せるため、一気にチャンスのシーンを作ることもできる。

23日の神戸戦では、セットプレーのこぼれ球から約25メートルのミドル弾をたたき込んだ。「自分の中でもベストゴールのひとつ」というダイレクトで右足を振り抜いた一撃は直撃したポストから悲鳴が聞こえそうな強烈なシュートで、ゴール後に見せたロンダートからのバク宙を含めて、身体能力の高さをまざまざと見せつけるものだった。

デンは攻撃でも、守備でも主役になれる。


文:神谷正明(浦和担当)


明治安田生命J1リーグ 第13節
8月29日(土)19:00KO 埼玉
浦和レッズ vs 大分トリニータ
埼玉スタジアム2002(浦和レッズ)
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