【東京V vs 群馬】必見!ゴールの名演出家・福村貴幸のラストパスに酔い痴れろ!

2020年9月12日(土)


昨年7月に永井秀樹新監督が誕生して丸一年が経ち、就任時から貫いてきた戦術は確実に浸透した。一歩一歩段階を経ながら、最近は結果も伴うようになり、徐々に周囲からも「ヴェルディのサッカー、面白い」と称賛され始めている。
そんな中、『内容と結果』という意味で改めて考える機会となったのが直近の2試合だ。特に前々節の愛媛戦では0−1で敗れたものの、試合後、川井健太監督からは「他のチームとの対戦ではしないのですが、僕にとって東京Vは特別なチーム。まず相手が『何をされたら嫌がるか?』を考え、スタッフとも話して対策を練った」と、ある意味最大のリスペクトとも受け取れるコメントが聞かれた。実際、永井監督もその試合のエピソードを、次のように明かしている。

「試合が終わって監督同士が挨拶する時、愛媛の監督さんが開口一番、『完敗です』とおっしゃられたのが非常に印象に残っていて。実際に負けたのは我々。本来『完敗』というのは僕のセリフだと思いながらも、強がりに聞こえるかもしれませんが、僕自身も、スコアでは負けましたが、内容では負けたと思っていないので、改めてサッカーって奥が深いなと感じた試合でもありました」。

逆に、前節の岡山戦では、1−0で勝利したものの苦戦。目指している『圧倒、圧勝、圧巻』という内容からは程遠く、「ただ勝っただけ」との感想が、選手の口からも聞かれた。が、プロとして、全ては「勝利」あってのことであることも重々理解しているだけに、価値ある勝点3となった。

今後も、内容を重視しながらも、勝点もきちんと積み上げられるチームを目指していく中、欠かせぬ存在になっているのが福村貴幸だ。永井監督が尊敬する大木武監督(現熊本監督)から京都、岐阜時代に師事を受け、昨季はさらに大木監督の弟子ともいえる高木理己監督率いる鳥取(J3)で重用され、J3アシスト王に輝いたサイドアタッカー。指揮官が自らの足で福村の地元・大阪へ出向き、口説き落としたほど欲しかった逸材だ。

実は、福村は、J3というJリーグで一番下のカテゴリーで過ごした昨季を、サッカー人生、さらには人間として大きく成長する最高のターニングポイントに挙げている。「今年ダメやったら、もうサッカーをやめよう」と腹を括った中で「最後、自分の勝負できることは何や?」と、これまで深く考えたこともなかった“自己追求”をしたところ、「クロスボール」に辿り着いた。

福村の概念として、「クロス=浮き球」のイメージがあったが、「勝手な思い込み」と気付き、「クロス=パス」と発想を転換。「パスであれば、相手が受けやすく、次のプレーに移行しやすいグラウンダーを出す」と、選択肢の優先順位を変えたことで、アシスト数が激増した。

結果が出れば出るほどやりがいも生まれ、自ずと追究心は高まるものだ。フリーキックなどのプレスキックも任されることが増え、特に今季は、さらなるキックの正確さ、球質、送る相手のプレースタイルなど、あらゆる要素にこだわりをもって試合に挑んでいる。

序盤こそ、途中出場が多かったが、8月からは先発起用が続いており、早くも8ゴールを演出しており、現在リーグのアシスト王に君臨している。完全にチームにフィットしているように見えるが、本人は「自分自身はまだまだだフィットできてると思ってない。もっともっとやらないといけないことはある。究極ですが、3−0、5−0など、圧倒して勝つ試合だったり、全てがイメージ通り、阿吽の呼吸で進んでいるなと思えた時、初めて『フィットできてる』と思えると思います」と、理想は非常に高い。
指揮官も、「まだまだ伸びしろがある選手だと思っている。彼が成長してくれるのは非常に嬉しいですし、チームにとってもプラス」と、さらなる飛躍に期待を寄せている。

「僕をJ2に引き抜いてくれた永井さん、東京Vには、心の底から感謝していますし、そこに繋がったのは大木さん、高木さんのおかげです」。出会いや縁への感謝こそが、福村の活躍を支える最大のエネルギー源である。


文:上岡真里江(東京V担当)


明治安田生命J2リーグ 第19節
9月13日(日)18:00KO 味スタ
東京ヴェルディ vs ザスパクサツ群馬
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