【栃木 vs 町田】劇的ゴールを量産する絶好調男、柳育崇の密かな取り組みとは?

2020年9月26日(土)


絶好調には理由があった。
前節の京都戦も89分、クロスに頭で合わせて反撃弾を突き刺してみせた。2試合連続となる今季4ゴール目。DF登録ながら、そして試合終盤という短い出場時間ながら、明本考浩と並ぶチームトップのゴール数を叩き出している。
「狙っているところにボールが来る感覚。仲間を信じて走った結果がゴールに繋がっているんです」
柳育崇が充実の表情で振り返る。

今季、アルビレックス新潟から期限付き移籍で加入した柳が結果を出し続けている。サブメンバーが次々と試合に絡んで成長するという好循環の中の一人。柳からすれば、ここまで貫いてきた一つの取り組みの成果を感じられる時間でもあった。
「新潟にいたときは試合ごとのプレーの振り幅が大きいという課題がありました。試合になかなか絡めず、何かを変えないといけない、このままではプロキャリアが終わってしまう、という危機感があって、試行錯誤する中でのチャレンジの一つでした」

それは昨シーズンのオフのことだった。知人に勧められ、“瞑想”をテーマにする講義に参加したことがきっかけだった。最初はしっくりこなかったが、毎日時間を作って根気強く続けていると、だんだんと変化があらわれた。日常生活の中でも、ちょっとやそっとのことではイライラしない自分に気付くことができたのだ。
試合当日も試合前、そして出番を待つサブメンバーのウォームアップ中に、心を整えるための深呼吸を数回、欠かさずに取り入れるようにした。
「それまでの試合内容だったり、スタジアムの環境だったり、そういうものは自分でコントロールできないので素直に受け入れる。その上で、自分ができることだけに集中するという準備を心がけるようにしました。そうすると、連戦の中で身体の疲労を感じることがあっても、常に頭はすっきりとした状態で試合に入っていけるんです」
この感覚が柳を変えた。ここまでの4ゴールは試合終盤の土壇場のゴールばかりだが、にもかかわらず、すべてのゴールに共通しているのが極めて冷静であるということだ。元FWの経験値というだけでは説明できない、そこにプラスされた“心の落ち着き”が結果を手繰り寄せていた。

柳はここまでフォア・ザ・チームの精神を持ち続け、不慣れなポジションだろうと自分に与えられた役割をこなしながら結果を積み重ねてきた。無論、狙うのはスタメンであり、後半戦がスタートする今、サブメンバーに甘んじる現状に満足などしていない。
「理想としてはフルタイムで出場する試合をもっと増やしていきたかった、という思いはあります。ただ、チームの勝利に対する貢献度という意味では自信につながる結果は出せています。それでも、後半戦はもっと出場時間を増やしたい。これまで以上にゴールを奪い、そして、ゴールを守るというプレーをたくさん見せていけたらと思っています」

柳はこれからも丹念な取り組みを続けていく。そして、来るべきチャンスを虎視眈々と待つ。


文:鈴木康浩(栃木担当)


明治安田生命J2リーグ 第22節
9月27日(日)18:00KO 栃木グ
栃木SC vs FC町田ゼルビア
栃木県グリーンスタジアム(栃木SC)
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