【東京V vs 山口】「まだまだ試合に出たい!」。向上心を再燃させた20年目GK柴崎貴広の存在価値。

2020年11月21日(土)


第28節のジュビロ磐田戦試合後、今季初めてオンライン会見の席に座ったGK柴崎貴広の口から、驚きの言葉が聞かれた。

「今日もしミスしたり、チームが負けてしまうようなことがあったら、引退しなきゃというくらいの気持ちで臨みました」。

第3節栃木FC戦以来、25試合ぶりの出場だった。開幕戦の徳島ヴォルティス戦から3試合連続で先発起用されたが、結果は2分1敗(●△△)。「結局、今季は勝てていない。『ヴェルディ歴が長いから』とか、『ベテランだから』という理由では示しがつかない。もし、次にチャンスをもらえたとしたら、絶対に結果を残さなければ」。ベンチを温める側に回った第4節から、約3ヶ月半、常に胸に抱え続けた危機感からの胸の内だった。

そして突如巡ってきたチャンス。常に「サポーターのため」「家族のため」「ヴェルディのため」と思ってプレーしてきたが、この試合だけは、初めて「自分の進退」を賭けてピッチに立った。
「負けたらアウト」とだけは心に決め、挑んだ結果は、0-0の引き分け。この結果をどう捉えるか?というところだが、スコア的に無失点で終えられたこと。また、内容的にも、自身の最大のウリでもある決定的シュートを阻止するシーンが何度も見られたという意味でも「セーフ」とした。何よりも大きかったのは、一大決心を賭けて挑んだ試合を通じて、「もっともっと上手くなって、まだまだ試合に出たい」との強い思いが、改めて湧き出てきたことだ。その後も、試合に出る、出ないにかかわらず、これまで以上に高いモチベーションで日々の練習から挑み続けている。

34試合全てで試合メンバー入りを果たしているが、出場5試合と、立場的には第二GKとしてのシーズンが続いている。だが、だからこそ感じられることも少なくない。その1つが、チームの攻撃力の把握だろう。実戦を想定した紅白戦などでは、サブ組のGKとして先発組の攻撃を受けることも少なくないだけに、抑える側から見る攻撃の精度や傾向など、相手GKやDFに与える脅威がリアルに分析できる。

その視点から見て、ここ5試合中4試合で複数得点を挙げている最近のチームの攻撃面について、次のように感じているという。

「結果が出ていない時(第27節から29節まで3試合連続無得点)も、練習ではみんなシュートもたくさん打っていたし、全然良かった。でも、そこで結果が出てなかったのは、どうしても型にはまりすぎていたところがあったからだと思います。もちろん、攻撃の選手には攻撃の選手なりの戦術があったり、そのシーンごとに、シュートを打つよりパスのほうが確率が良いという選択があったのだと思いますが、なんとなくきれいな方、きれいな方と選択しすぎて、泥臭さが足りなかったように感じていました。でも、最近は、ゴールを奪えてきたことで、いろいろなことを勇気を持ってできるようになってきたのは確か。堂々とシュートを選択する選手が増えてきたので、着実に一歩上に進んでいると思います。
練習後、ぼくらGKは毎日シュート練習に付き合っているので、その立場からしても、もっともっと打って欲しいし、相手にとっても脅威だと思う。たとえ入らなくても、『シュートを打ってくる』というイメージはつくと思う。『打たれる』と思わせたら、今度はパスが生きてくる。そこも、どんどん上手く使えるようになってきているなと思います」。

今季、チームはまだ3連勝が一度あっただけ。現在2連勝中なだけに、「本当にこの連戦で結果を出したい。強いチームは3連勝、4連勝、それ以上の大きな連勝をするものなので」と、20年目GK。残り8試合も、これまでと変わらず、チームのため、サポーターのため、いつでも試合に出られる万全な準備を整え、全力で闘っていく。


文:上岡真里江(東京V担当)


明治安田生命J2リーグ 第35節
11月22日(日)14:00KO 味スタ
東京ヴェルディ vs レノファ山口FC
味の素スタジアム(東京ヴェルディ)
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